-
3Dプリンター
- 公開日:2022.10.5
- 更新日:2022.10.5
STEAM教育って何?小学校での導入事例や世界で注目される理由
今まで「STEAM教育」という言葉を目にしたことはありませんか?
世界的なIT化についていくための教育であり、日本国内でも少しずつ取り組みが行われています。しかし、日常的に使われるほど普及した言葉ではないので、詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、「STEAM教育」の導入事例や世界で注目されている理由について解説します。
ページコンテンツ
STEAM教育とは?
STEAM(スティーム)教育とは、「IT社会に順応した競争力のある人材を育てるための教育手法」です。新しい教育概念であり、以下5つの単語を組み合わせて作られています。
- Science(サイエンス):科学
- Technology(テクノロジー):技術
- Engineering(エンジニアリング):工学
- Art(アート):芸術・リベラルアーツ
- Mathematics(マセマティックス):数学
もともとは「STEM(ステム)教育」でしたが、自分で自由に表現することや個人の感性を活かすために「Art」が加わりました。
STEAM教育は、文系や理系といった枠にとらわれず、上記5つを基軸としながらさまざまな情報を活用・統合して課題を解決できるような資質・能力を育てることが目的です。
世界的なIT技術者不足のため、STEAM教育が注目されている
STEAM教育の発祥はアメリカであり、オバマ政権下であった2013年には国家戦略のひとつとして掲げられました。2018年のトランプ政権下でも「米国STEAM教育戦略 5ヶ年計画」に指定されるなど、さらに必要性は高まっていったのです。
世界各国のSTEAM教育の動向は、以下のとおりです。
- オートストラリア:2009年から高校生向けの「iSTEMプログラム」が開始
- カナダ:2011年から大学生向けの「STEM学科入試支援」が開始
- ベトナム:2012年から私学STEM教育が開始、2015年から科学技術省STEM day設定
- インド:2015年から小学校でもSTEM教育に取り組む
世界的にも、早い段階でSTEM教育を導入していることがわかります。
では、日本のSTEAM教育はどうなのか導入事例をご紹介します。
日本の小学校でのSTEAM教育の導入事例を紹介
世界だけでなく、日本国内でもIT人材は不足しています。
経済産業省の委託を受けた「みずほ情報総研株式会社」の報告によると、2018年の統計で約22万人のIT人材が不足していることが分かっています。
そんな日本の教育現場でも2020年からSTEAM教育は導入されており、以下のような事例があります。
- GIGAスクール構想
- Music Blocks
- 3DプリンターのSTEAM教育
上から順番に説明していきます。
GIGAスクール構想
GIGAスクール構想とは、教育現場に1人1台の学習用パソコンと高速ネットワークを5年かけて整備する文部科学省の取り組みのことです。目的は生徒1人1人の個性に応じた教育を行うことであり、「統合系校務支援システム」の導入によって、教員の働き方改革を推進する狙いもあります。
「デジタル教科書」、「生徒が苦手分野を集中学習できるAIドリル」、「ICT支援員や地域指導者養成を活用した指導体制の強化」の3本柱で教育の改革を行うというものです。
GIGAスクール構想が実現することで、自宅からも児童に教育を行えるほか、保護者への情報共有もできます。
プログラミングで楽曲を作る学習ソフト「Music Blocks」
2つめの事例は、「Music Blocks」です。
「Music Blocks」は、音楽と算数にプログラミングまで同時に学べるソフトのことであり、2018年に筑波大学付属小学校で行われました。経済産業省「未来の教室」実証事業にも採択されたプロジェクトであり、株式会社学研プラスとsteAm株式会社の合同で主催されています。
楽器やリズムといったブロックを組み合わせたり、音程の値を変えたりすることで楽曲を制作することが可能です。プログラミングをゼロから学べるうえ、音楽や動画づくりを楽しみながら行うことができます。
ブラウザ上での動作なので、学校だけでなく自宅でも自由に触れられることも特徴です。
3DプリンターのSTEAM教育の事例
3つめの事例は、3DプリンターのSTEAM教育です。
埼玉県戸田市の戸田東小学校・中学校で、「STEAM Lab」という空間が新設されました。
もともと戸田市は産官学と連携してプログラミングや学習者用デジタル教科書、問題解決型学習(Project Based Learning)といった研究に取り組んできていました。GIGAスクール構想の第2弾として、戸田東小学校・中学校に「STEAM Lab」を設置したのです。
「STEAM Lab」は、ハイスペックPC21台にロボットカー10台のほか動画編集ソフトや大型掲示装置、3Dプリンターや3D-CADソフトといったICT環境を充実させた空間です。
2020年には、STEAM Labを「総合的な学習の時間」として活用しています。
小学校3・4年生はロボットカーなどを使ったプログラミング授業が行われ、5・6年生は3D-CADソフトに3Dプリンター、動画編集ソフトを使用しました。GIGA端末からオンラインで講師のアドバイスを受けながら、制作に取り組んでいます。
STEAM教育の課題
STEAM教育の主な課題は、以下の3つです。
- 受験方法に対応していない
- 指導できる教員の不足
- 地域や家庭環境に差がある
上から順番に説明していきます。
課題①:受験方法に対応していない
STEAM教育の課題のひとつは、受験方法です。
現在の受験方法には対応できていないので、授業方法が確率されていないのです。
同時に、生徒たちが本気で挑戦できるプログラムも不足しています。
課題②:指導できる教員の不足
STEAM教育の2つめの課題は、教員の不足です。
そもそも教員側の経験も不足しているうえ、STEAM教育を横断して教えるには高いスキルが要求されます。生徒だけでなく教員向けのトレーニングも必要ですが、進んでいないのが現状です。外部から人材を投入する必要性がありますが、その人材も少ないといえます。
一方の生徒も理数への苦手意識があるため、払拭させる必要もあるでしょう。
課題③:地域や家庭環境に差がある
STEAM教育の3つめの課題は、地域や家庭環境の差です。
STEAM教育で使われる機材は高額なものも多く、家庭によっては大きな負担になってしまいます。私立と公立、プログラミング教室への加入など、得られる経験は家庭環境によっても大きく左右されてしまうのです。
また、STEAM教育に力を入れているかどうかは自治体や学校によっても異なるので、環境によってはチャンスを得られない子どもも出てくるでしょう。
FLASHFORGEのSTEAM教育なら家庭でも学習できる
実は、小学校では3Dプリンターの授業は行われていない学校がほとんどです。ごく一部の学校の授業に取り入れられているだけであり、他国と比べて遅れをとっているのが現状です。
FLASHFORGEでは、STEAM教育の一環として「Go!Go!3Dスクール」講座を実施しています。
3Dプリンターを使って自分だけのオリジナルな作品が作れるように、マンツーマン講座を行っています。TinkercadやFusion360といったソフトを用いて、ものづくりの楽しさや作品に価値を生み出すための体験を味わうことが可能です。
「子ども向けコース」では、初級、中級、上級の3種類のコースを用意しています。基本の操作からオリジナル作品の制作までサポートいたしますので、ご安心して参加いただけます。お子さんへのSTEAM教育をご希望の方は、ぜひご覧ください。
小学校のSTEAM教育に関するFAQ
小学校のSTEAM教育でよくある質問は、以下のとおりです。
- STEAM教育とは?
- STEAM教育を学ぶとどうなる?
上から順番に回答していきます。
STEAM教育とは?
STEAM(スティーム)教育とは、「IT社会に順応した競争力のある人材を育てるための教育手法」です。5つの単語の頭文字を取って作られた教育概念です。
- Science(サイエンス):科学
- Technology(テクノロジー):技術
- Engineering(エンジニアリング):工学
- Art(アート):芸術・リベラルアーツ
- Mathematics(マセマティックス):数学
STEAM教育の目的は、文系や理系といった枠にとらわれず、上記5つを基軸としながらさまざまな情報を活用・統合して課題を解決できるような資質・能力を育てることです。
STEAM教育を学ぶとどうなる?
STEAM教育を学ぶと、現実の生活や社会において課題をみつけられるようになり、物事を広い角度から捉えて解決する力、新しい価値を生み出す力が身につきます。
理系や文系といった枠に捉われることなく、各分野を横断的に習得することが可能です。
まとめ
今回の記事では、「STEAM教育」の導入事例や世界で注目されている理由について解説しました。
以下に、今回お伝えした内容をまとめます。
- STEAM教育は、IT社会に順応した人材を育てるための教育概念
- すべての教科を横断でき、課題を解決できるような能力や資質を育てる
- 世界的にIT技術者は不足しているが、世界的にはSTEAM教育の導入が進んでいる
- 日本では世界から遅れて2020年にSTEAM教育が導入されている
- ネットワーク環境には5年かかるうえ、教員不足といった課題もある
日本のSTEAM教育は世界から遅れているのが現状であり、学習を進めるには学校での取り組みを待つよりも、自ら取り組む必要があります。
お子さんに想像力や自己解決能力を高めるための教育を行うなら、ぜひFLASHFORGEのSTEAM教育「Go!Go!3Dスクール」をお試しください。3Dプリンターや3DCADソフトの操作からオリジナル作品の制作まで、マンツーマン講座で学習することができます。