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導入事例
- 公開日:2022.10.20
- 更新日:2022.10.20
自律移動ロボット製作に3Dプリンターを導入!複雑な形状部品や試作製作に活用
立命館大学情報理工学部のプロジェクト団体「Ri-one」はロボット製作に取り組むプロジェクト団体です。
これまでパーツの一つ一つを機械加工で製作されていたのですが、機械加工ではどうしても作れない形状があったり、試作が中々出来なかったので、家庭用3Dプリンター「Adventurer4」を導入。現在は細かい部品や試作などに活用頂いています。
今回は「Ri-one」ハード班リーダーの松本様に、「Adventurer4」をロボット製作にどのように活かしているのかインタビューいたしました。
プロジェクト団体「Ri-one」とは?
ープロジェクト団体「Ri-one」はどういった活動をされているのでしょうか?
ロボカップサッカーに取り組んでいます。
※ロボカップサッカーは自律移動(自分で考えて動く)ロボットによるサッカーの競技会です。
部員はハード班とソフト班に分かれており、ハード班ではBLDCモータの回路・アルゴリズムの開発、高速パスに対応できるドリブル機構の開発、ロボットのメインボードの開発。ソフト班では戦術AIの研究・開発、デバッグシステムの開発を行っています。
機械加工では曲面や中空形状の加工が困難
ーAdventurer4導入前に、課題に感じていたことを教えてください。
これまで、マシニングセンターやNC工作機械を使った機械加工で部品を全て製造していましたが、曲面や中空のような複雑な形状部品の製造が困難でした。また、良いアイデアが思いついても形にできない、気軽に試作できないということを課題に感じていました。
ーそうだったんですね。Adventurer4はどういったきっかけで知ったのでしょうか?
Adventurer3を使っている部員がいたのがAdventurer4を知ったきっかけですね。
実際に印刷したものを見せてもらうと、積層痕も綺麗で、印刷精度も高かったのが印象的でした。キャンパス内にある3Dプリンターと比較しても、3Dプリントするまでの工程がシンプルで簡単でした。
ーでは、Adventurer4導入の決め手は何だったのでしょうか?
Adventurer3とAdventurer4、どちらを購入するかで悩んでいたのですが、より造形サイズが大きく、精度の高いAdventurer4を選びました。
3Dプリントするまでの流れがシンプルで操作も簡単
ー実際にどういったことに利用されましたか?
ロボットがボールを蹴り出す装置(2Wayキッカ)の部品の一部をAdventurer4で作りました。2Wayキッカはストレートキックとチップキックで、真っ直ぐボールを蹴る機構とボールを蹴り上げる機構が装備されています。
キッカーがボールを蹴る装置の一部の部品をAdventurer4で作ってみました。
今まではアルミを使っていたのですが、重くて動きにくいのが難点でした。そこで、軽くて耐久性があるPLAフィラメントを用いて、Adventurer4で3Dプリントしたところ、スムーズに動くようになりましたね。
その他にも、基板カバーも3Dプリントしました。基板は電圧が高く、高温なので少しでも指に触れると危険です。なので、カバーをすることで安全に利用することができてます。
ーAdventurer4の機能面はどうでしたか?
本体のタッチパネルのUIは日本語表示でシンプルな設計で、エクストルーダーも他の3Dプリンターよりも温まりやすいのでスムーズに印刷準備を進められました。また、FlashPrintからAdventurer4に転送したデータは本体内に残るので、量産化したい場合にUSBを挿し直す必要もないので本当に便利です。
ノズル交換もワンタッチで行えるため、メンテナンス作業も簡単に行えました。
ー部員さんの反応はいかがでしたか?
3Dプリンターを触ったことがない部員が多かったのですが、Adventurer4の使い方やタッチパネルの操作方法のことで「わからない」と言いに来た部員はいません。
また、これまでよりも気軽に試作ができるようになり、色んなアイデアを形に落とし込めるので、満足度が高いですね。
Robo Cup SSL優勝を目指しています
ー最後に、今後の目標を教えてください。
RoboCup SSL(小型リーグ)に優勝して、中型リーグ(Middle Size League)に進むことです。Ri-oneは2021年からRoboCupに参加し、世界大会にも出場しました。最初は全く歯が立たないことも多かったのですが、試合を重ねるごとに善戦することができるようになりました。この勢いで、小型リーグ優勝を目指して頑張ります!
ーこの取材の後に開催された「Robo Cup Japan Open 2022」ではRi-oneチームは前回を上回る3位という好成績を残されました。今後の更なるご活躍を応援しています。今回はインタビューにお答えしていただき、ありがとうございました。
立命館大学理工学部 プロジェクト団体「Ri-one」
HP:https://www.rione.org/
Twitter:https://twitter.com/rione_ssl