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3Dプリンター
- 公開日:2022.3.29
- 更新日:2022.9.2
3Dプリンターでスマホケースを作る方法!ユニークなアイデアを紹介
3Dプリンターでものづくりを楽しみたいけれど、一歩目が踏み出せずにいる方はいませんか?
「3Dプリンターでスマホケースを作りたいけれど、どれぐらいのコストで作れるのだろうか?」
「3Dプリンターでスマホケースを作る際の注意点はあるのだろうか?」
このような悩みを抱えている方でも、世界でたった1つのオリジナルのスマホケースが簡単に作れます。
今回は3Dプリンターでスマホケースを作る方法を解説します。この記事を読めば、スマホケースの作り方だけではなく、スマホケースのアイデアまで理解できるはずです。ぜひ、参考にしてみてください。
ページコンテンツ
3Dプリンターでスマホケースを作る方法
3Dプリンターでスマホケースを作る手順は以下の通りです。
- 必要な物を準備する
- 3Dプリンターデータを作成する
- 3Dプリンターで使用するフィラメントを選ぶ
- 3Dプリンターでスマホケースを印刷する
- スマホケースのサポート材を取り除く
- 必要に応じて装飾する
それでは、各工程について解説します。
1.必要な物を準備する
最初に3Dプリンターでスマホケースを作るために必要な道具を用意します。
【必要な道具】
- 3Dプリンター
- 3DCADソフト(スマホケースを設計するためのソフトウェア)
- STL検証ツール+スライスソフト(STLなどの3Dデータを3Dプリンター用のデータに変換できるソフト)
- PC
- 工具
- 研磨
2.3Dプリンターデータを作成する
3Dプリンターデータを作成する方法には、
- 3DCADソフト
- オープンソースデータ
の2つの方法があります。
3DCADソフト
オリジナルデザインを作りたい方は、AUTODESKなどの3DCADソフトの使用がおすすめです。
3DCADソフトを使用してスマホケースを設計していく場合は、Autodesk123Dにあるオープンソースデータをダウンロードして、ロゴマークを付けたり、好きなマークの型抜きをしたりすると簡単に設計できます。
オープンソースデータ
デザイン設計の初心者の方は、オープンソースデータがおすすめです。
スマホケースの3DCADデータはオープンソースデータとしてダウンロードできます。スマホケースのデザインが思い浮かばない初心者の方は、オープンソースデータを積極的に活用していきましょう。
3.3Dプリンターで使用するフィラメントを選ぶ
3Dプリンター対応のフィラメント(材料)の種類は機種により異なりますが、どのような素材を使用するか決めていきます。
PLA | 自然由来の素材が原料収縮を起こしにくいため扱いやすい柔軟性に乏しくて割れやすい |
ABS | 一般的なプラスチック製品で広く使用されている素材靭性(粘り強さ)、耐衝撃性、耐熱性に優れているPLAと比較すると出力しにくい |
PET/PETG | ポリエチレン・テレフタレートと呼ばれており透明性がある強度・耐久性・耐熱性に優れているペットボトルの素材として知られている |
複合材料 | 複数の異素材を混ぜ込んだもの |
ゴムライク | 樹脂製の中でも柔らかい |
PC | プラスチック素材の中では最高レベルの耐衝撃性を誇る |
フィラメントの素材別の特徴について詳しく知りたい方は「3Dプリンターで使える素材とは?種類と特徴を徹底解説します【対応表あり】」を参考にしてください。
4.3Dプリンターでスマホケースを印刷する
3Dプリンターの設計図とフィラメントを用意できたら、データを読み込んでスマホケースを印刷していきます。スマートフォンの表面にロゴを付けたい場合などは、スマホをはめる方向にサポート材を付ける必要があります。
しかし、サポート材を使用すると「コスト増」「後処理が大変」「出力時間が長くなる」などの問題が生じるため気をつけてください。どのような向きで印刷すべきかを吟味しましょう。
5.スマホケースのサポート材を取り除く
スマホケースのプリンティングを終えたら、サポート材を取り除いていきます。細部のサポート材を取り除く場合には工具を使用して慎重に作業してください。また、水溶性のサポート材を使用しておくと、水に浸けておくだけでサポート材が取り除けます。
6.必要に応じて装飾する
スマホケースと別に好みのキャラクターを3Dプリンターで印刷して、電動工具で取り付けるとオリジナルのスマホケースが完成します。立体型のデザインが出力できることが3Dプリンターの魅力です。後で詳しく述べますが、必要に応じてスマホケースを装飾してみてください。
3Dプリンターでスマホケースを作る場合のコツ
3Dプリンターでスマホケースを作る手順をご紹介しましたが、完成度にこだわりたい方は、ものづくりのコツを覚えておきましょう。ものづくりのコツを押さえておけば、高品質なスマホケースが作れるようになります。ここでは、3Dプリンターでスマホケースを作る場合のコツをご紹介します。
オープンデータを利用する
スマホケースのCADデータは、オープンソースデータとして公開されています。シンプルなデザインから、オリジナルデザインまで豊富な種類のデータが用意されています。そのため、CADソフトが操作できない方はオープンソースデータをダウンロードしてみてください。
■オープンソースデータ
Case Design Guidelines for Apple Devices | アップル社が公開しているデバイスの寸法図や仕様をまとめたPDFファイル |
Thingiverse | ユーザーが作成したデザインファイルの共有専用サイト |
Shapeways | 3Dプリンターデータの売買サイト |
Yeggi | 3Dプリンターデータを横断検索できるサイト |
Autodesk 123D | Autodesk123Dで作成された3Dデータが公開されているサイト |
その他のオープンソースデータは「3Dプリンターの設計図がダウンロードできる!おすすめサービス7選」でご紹介しています。
シンプルなデザインを選ぶ
初めて3Dプリンターでスマホケースを作る場合はシンプルなデザインを選ぶようにしましょう。
複雑な形状のスマホケースをプリントすることはできますが、機種の調整やフィラメント選びなどコツを押さえなければ、失敗してしまいます。そのため、3Dプリンター初心者の方はシンプルなデザインのスマホケース作りから始めてみてください。
スマホケースの印刷の向きにこだわる
3Dプリンターでスマホケースを作る場合は、印刷の向きにこだわってください。スマホケースの表面にロゴやイラストを付けない場合は、表面を下向きにして印刷すると品質が安定します。
サポート材が付く分だけ、後処理が大変になり品質が落ちます。そのため、極力サポート材が付かないように印刷の向きにこだわってみてください。
サポート材は慎重に取り除く
スマホケースの表面にロゴマークを付けたり、イラストを描いたりしたい場合にはサポート材を付けなければいけません。スマホケースに付いているサポート材を取り除く場合は工具を使用してください。
また、サポート材は慎重に取り除いていきましょう。力強くサポート材を取り除くとスマホケースの破損の原因になるため気をつけてください。細部までキレイに仕上げたい方は、水溶性のサポート材を使用すると美しく仕上がります。
3Dプリンターの対応サイズを確認して購入する
これはスマホケース以外のモノを作る場合にも言えますが、作りたい造形物の大きさが3Dプリンターの対応サイズ(造形サイズ)を満たしているのか、確認してから3Dプリンターを購入しましょう。
以上が、3Dプリンターでスマホケースを作るコツについての解説だったのですが、その他にもわからない点もあるかと思います。その場合は、ショールームを訪ねたり、販売店に聞いてみることをオススメします。
FLASHFORGEでも、大阪と東京でショールーム見学を実施しており、家庭用から業務用までの3Dプリンターを展示しています。そして、3Dプリンターでどんなモノが作れるのか質問を頂ければ、当社の技術スタッフが回答いたしますので、もし興味のある方はぜひご利用ください!
3Dプリンターでスマホケースを作る場合のアイデア
3Dプリンターでスマホケースを作ると、個性的なスマホケースが作れます。どのようなものが作れるのかアイデアを把握しておくと、ものづくりの幅が広がります。そのため、スマホケース作りのアイデアを見ておきましょう。ここでは、3Dプリンターでスマホを作る場合のアイデアをご紹介します。
ロゴマークを付ける
スマホケースにシンプル&クールにロゴを入れるデザインが人気です。ロゴ部分を造形する方法と、ロゴ部分を彫り込む方法があります。どちらの造形方法を選ぶかで印象が大きく変わります。ロゴマークの他に、社名・学校名・部活名・名前などが印刷されることが多いです。
型抜きして柄にする
スマホケースに型抜きをして個性的なデザインに仕上げることができます。型抜きされた部分はスマホが透けてみえるのでオシャレです。複雑な形状に型抜きをする場合は、水溶性サポート材を使用するなど工夫をしてください。
格子のデザインを添える
立体的なスマホケースにできることが3Dプリンターの魅力です。格子のデザインなど積層を活かしたデザインにしてもオシャレです。ワンカラーでもシンプルながらオシャレ度が増します。
立体的なキャラを作る
3Dプリンターで作ったスマホケースの中でも注目を浴びているのが、立体的なキャラクターが付いたスマホケースです。スマホケースと立体キャラクターを造形して、プリントした後に工具を使用して合体させます。
立体的なキャラが付いたスマホケースであれば、他の人とデザインが被る心配がありません。3Dプリンターならではの特徴を活かしたデザインです。
3Dプリンターで立体的なキャラが付いたスマホケースを作りたい場合は、スマホケースを3Dプリンターで作る過程を当社のYouTubeチャンネルでも公開していますので、ぜひ参考にしてください。
【参考動画】TPUフィラメントでiPhoneケース作ってみた
3Dプリンターでスマホケースを作る場合によくある質問
これまで3Dプリンターでスマホケースを作る方法をご紹介しました。これから、スマホケースを作ろうと思っている方もいると思います。最後に、スマホケースを作る場合によくある質問をご紹介します。ぜひ、ものづくりの参考にしてみてください。
Q.3Dプリンターでスマホケースを作る場合の価格はいくらですか?
スマホケースはスマホ自体の大きさにもよりますが、全体的な相場としては400~500円で作ることができます。しかし、フィラメントの種類やサポート材の使用量、デザインによりスマホケースの製造原価は変動します。
スマホケース作りでおすすめのフィラメントはこちらです。ぜひ、フィラメント選びに悩んだ場合は下記を参考にしてみてください。
・出力後の反りが起きにくいため造形が簡単にできる「MODERA:PLA フィラメント Base Black 」
Q.スマホケースを外注して作る場合の流れを教えてくれますか?
オーダーメイドのスマホケースを作り方として、3Dプリンターの出力サービスを利用する方法もあります。出力サービスを使用した場合の、ものづくりの流れは下記の通りです。
- お見積り
- 3Dデータを作成
- 3Dデータをもとに出力
- 後加工
上記の工程を全てお任せすると、3万円を超える場合もあります。また、3Dデータを用意しておくと3,000円程度で造形物を作れます。
Q.スマホケースをデザインするためのおすすめのソフトはありますか?
スマホケースをデザインするための3DCADソフトは、高品質で低価格のソフトを選ぶことをおすすめします。
Fusion 360 | 必要な機能をオールマイティに搭載している王道の3DCADソフト | Windows/Mac |
DesignSpark Mechanical | コマンドが絞り込まれていて、初心者向けの3DCADソフト | Windows |
FreeCAD | 自由に拡張できることが魅力の3DCADソフト | Windows/Mac/Linux |
3DCADのフリーソフトをお探しの方は「3Dプリンターのデータ作成におすすめのフリーソフトをご紹介!」を参考にしてみてください。
まとめ
3Dプリンターであれば、立体的なデザインまで緻密に再現できて世界でたった1つのスマホケースが作れます。3Dプリンターの代行サービスでスマホケースを作ると費用がかかりますが、自社製作すれば1/20程度のコストに抑えられます。
また、iPhoneケースだけではなく、スタンドや各種アクセサリーを一緒に作れることも魅力です。ぜひ、この記事を読んでスマホケース作りに興味を持った方はトライしてみてくださいね。