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3Dプリンター
- 公開日:2022.10.12
- 更新日:2022.10.12
家庭用3Dプリンターでミニカーを作ろう!おすすめ機器と制作方法を紹介
昨今では、手頃な価格の家庭用3Dプリンターが普及しているため、ミニカーを自作する方が増えてきました。
操作が簡単な3Dプリンターを導入したり、3Dモデルのダウンロードサイトを活用したりすれば、初心者でも簡単にミニカー制作を楽しめます。
今回の記事では、初心者の方向けに、家庭用3Dプリンターを用いたミニカーの制作方法や、おすすめの3Dプリンター・材料などについてご紹介します。
ページコンテンツ
ミニカーを家庭用3Dプリンターで作るメリット
家庭用3Dプリンターでのミニカー制作は、自分の思い描いたアイデアを形にできる点がメリットです。
また、初心者でも操作しやすい3Dプリンターや、本体価格10万円以下の3Dプリンターが多くラインナップされているほか、ミニカーの3Dデータをダウンロードできるサイトがあるので、誰でも簡単にミニカー作りを楽しめます。
3Dプリンターは、光造形方式を用いれば、表面が滑らかかつ、細かな造形に対応できるため、こだわりのあるミニカーを制作することが可能です。
光造形方式とは、材料である液体の「レジン」に紫外線を照射し、1層ずつ固めて造形する仕組みの3Dプリンターを指します。
光造形方式の3Dプリンターの詳細について知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
3Dプリンターを用いたミニカーの作り方
ミニカーの作り方の手順は以下の通りです。
- 必要なモノを用意
- 3Dデータの作成
- スライスソフトでデータ変換
- 3Dプリンターで3Dモデルを出力
- 後処理をして完成
順を追って解説します。
必要なモノを用意
ミニカーを作るためには、以下のアイテムを用意しなければなりません。
- 3Dプリンター(光造形方式)
- PC
- 3Dモデリングソフト(3DCADや3DCG)
- その他備品
3Dプリンターの主な種類として「熱溶解積層方式」と「光造形方式」の2種類があります。ミニカーを造形したい方は、表面が滑らかかつ、細かな造形が可能な光造形方式を選ぶのがおすすめです。熱溶解積層方式でも制作は可能ですが、造形物の表面に積層痕が付きやすく、光造形方式に比べて仕上がりに劣ります。
PCは、3Dモデリングソフトやスライスソフトを扱うために必要となります。推奨するスペックについては、使いたい3Dモデリングソフトの推奨スペック以上のモノを選びましょう。
3Dモデリングソフトは、作りたいミニカーの3Dモデルを作成するのに使います。3Dモデリングソフトは、無料版と有料版のソフトがあるため、目的に応じたモノを選んでください。
光造形方式の3Dプリンターを扱う際は、手を保護するためのゴム手袋、造形後にプラットフォームから造形物を剝がすためのスクレーパー、造形物を洗浄するためのアルコール系洗浄液、サポート材を除去するためのニッパーなども必要になります。
上記の備品以外にも、持っておくと便利な道具がいくつかあります。備品の詳細については以下の記事で紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
<<レジン選びが重要!3Dプリンター(光造形方式)で綺麗に造形するポイント
3Dデータの作成
3Dデータの作成は、3Dモデリングソフト(3DCADや3DCG)を用いて行います。
3Dモデリングソフトを上手く扱うには、知識と経験が求められるものです。データ作成の手間を省きたい方は、ミニカーの3Dデータをダウンロードできるサイトを活用してみるとよいでしょう。
また、自身が所持している愛車を3Dモデル化したい方は、3Dスキャナーを用いて現物をスキャンする方法があります。
上の動画は、弊社で販売しているハンドル型3Dスキャナー「TRACKSCAN-P42」で、実際に車を3Dスキャンしている様子です。高性能の3Dスキャナーを用いれば、車のサイズでも高精度のスキャンが可能です。
弊社では、3Dスキャナーの販売だけでなく、現物を3Dスキャンして3Dモデル化する「リバースエンジニアリングサービス」も提供していますので、ぜひご検討ください。
スライスソフトでデータ変換
3Dモデリングソフトで作成した3Dデータは、スライスソフトを用いて、3Dプリンターに出力するためのデータに変換します。
スライスソフトで作成したデータは、3Dプリンターにどのような向きで配置するのか、造形を補助するサポート材をどのように付けるのかなど、各種設定を行います。
スライスソフトも無料から有料のモノまであるので、用途に応じたソフトを選びましょう。
FLASHFORGEでは、初心者でも扱いやすい無料のスライスソフト「FlashPrint」を提供しています。ソフトのダウンロードおよび詳細については、以下のページをチェックしてみてください。
3Dプリンターで3Dモデルを出力
スライスソフトのデータを用意できたら、3Dプリンターにインポートして出力します。出力を開始してから造形が終わるまでは、特に3Dプリンターの操作を必要としません。
3Dプリンターの造形は、3Dモデルを配置する向きによって、サポート材の付き方や、造形の仕上がりに違いが出てきます。3Dモデルの配置のコツについては、3Dプリンターの導入時に販売担当者から聞いておくとよいでしょう。
後処理をして完成
3Dプリンターで造形が完了したら、後処理を行います。
光造形方式の3Dプリンターは、造形後に洗浄液に浸して、硬化していないレジンを除去しなければなりません。造形に必要だったサポート材もニッパーを使って切り取る必要があります。
また、ミニカー制作では、見栄えをよくするために、研磨や塗装を施したい方が多いかと思われます。必要に応じてこれらの作業を行えば、ミニカーの完成です。
ミニカー制作におすすめの家庭用3Dプリンター
ここではミニカー制作におすすめの家庭用3Dプリンター「Foto8.9s」についてご紹介します。
Foto8.9sは、価格が10万円以下とリーズナブルで、個人でも導入しやすい光造形方式の3Dプリンターです。
本体に搭載されているモノクロLCDパネルは、均等なUVランプ照射が可能で、照射ムラが少なく、50mm/hの印刷速度を実現しています。
最大造形サイズは192x120x200mmで、ミニカーやフィギュア制作などの幅広い用途で活用が可能。動作の安定性にも優れているため、積層痕が目立ちにくく、キレイな表面で3Dモデルをプリントできます。
また、ミクロン単位での造形に対応しており、細部までこだわりのあるミニカーを造形したい方にもおすすめです。
上の動画は、実際にFoto8.9sを使って歯を3Dプリントしている様子です。歯の造形物は表面に積層痕が残らず、高い精度で造形できていることが分かります。
・Foto8.9sの仕様
項目 | 詳細 |
---|---|
モデル名 | Foto8.9s(フォト8.9s) |
造形サイズ(最大) | W192 x D120 x H200mm |
本体サイズ | W305 x D264 x H490mm |
造形方式 | LCD(光造形法) |
LCDパネル | 4Kモノクロパネル |
プリント速度 | 10-50mm/h |
積層ピッチ | 0.025-0.2mm |
レジン | スタンダード、水洗い、ABSライク |
マニュアル | 日本語対応 |
メーカー保証 | 1年 |
販売価格 | 88,000円(税込96,800円) |
ミニカー制作におすすめのレジン材料
ミニカー制作には「ABSライクレジン」を使用するのがおすすめです。ABSライクレジンは、熱溶解積層方式で使われることの多い、ABS樹脂と似た特性を持ちます。
ABSライクレジンは、他のレジンに比べて、造形物の強度・粘着性・耐衝撃性などの機械的特性のバランスに優れているほか、加工性や塗装性も良好なため、ミニカーの制作に適しています。
その他のレジンの種類や特性について知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
<<レジン選びが重要!3Dプリンター(光造形方式)で綺麗に造形するポイント
3Dプリンターのミニカー制作でよくある質問
最後に、3Dプリンターを用いたミニカー制作でよくある質問について回答します。
Q.無料で使える3Dモデリングのおすすめソフトは?
無料で使える3Dモデリングのおすすめソフトは以下の3つです。
- Fusion360
- Tinkercad
- Blender
Fusion360とTinkercadは3DCADソフト、Blenderは3DCGソフトになります。
Fusion360とBlenderは、機能を豊富に搭載しているため、本格的に3Dモデリングを学びたい方におすすめです。ただし、Fusion360は非商用目的などの条件を満たしている場合のみ無料のため、導入の際は注意してください。
Tinkercadは、積み木のように球や立方体のシェイプを積み重ねたり、色や大きさを変えたりしてモデリングします。直感的な操作が可能なため、3Dモデリング初心者の方におすすめです。
Q.3Dモデルの作成が難しい
3Dモデルの作成が難しい方は、インターネット上で提供されている3Dデータをダウンロードして使う方法があります。なかには、無料でミニカーの3Dデータを配布しているサイトもあるので、ぜひチェックしてみてください。
無料で3Dデータをダウンロードできるサイトの例として「Thingiverse」があります。Thingiverseでは、サイト内にある検索バーに、必要なデータの名称を英語入力して、アップロードされているデータ一覧から、必要なデータをダウンロードできます。
自身が所持している愛車を3Dモデル化したい方は、リバースエンジニアリングサービスを使う方法もあります。リバースエンジニアリングサービスは、3Dスキャナーを使って現物をスキャンし、3Dデータを作成してもらえるサービスです。
弊社でもリバースエンジニアリングサービスを提供していますので、ぜひご活用ください。
まとめ
今回は、家庭用3Dプリンターによるミニカー制作の方法や、おすすめの3Dプリンター・材料について解説しました。用途に合う3Dプリンターやレジンを選ぶことで、よりキレイな仕上がりのミニカーを制作できるようになります。
昨今の3Dプリンターは、操作しやすい機器が多く、3Dモデルもインターネットからダウンロードできるため、初心者の方でもミニカー制作が可能です。
3Dプリンターの導入を検討している方は、ぜひFLASHFORGEのショールームをご利用ください。ショールームでは、実際に商品を見たり触ったりできるほか、お客様の要望に合う、最適な機器をご提案いたします。