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3Dプリンター
- 公開日:2022.5.13
- 更新日:2022.5.13
3Dプリンターでロボットアームが作れる?おすすめ機種と素材を紹介します
さまざまな分野での活躍に注目が集まっている3Dプリンターは、ロボット製作の現場にも徐々に浸透しています。
最近では、自動車メーカーのFord社がロボットだけで3Dプリンターを操作することに成功した、というニュースが話題になりました(引用元:TechCrunch)。
本記事では、そんな3Dプリンターを使って製作するロボットアームについてとロボットアーム製作におすすめの3Dプリンターと素材(フィラメント)をご紹介します。
ページコンテンツ
ロボットアームは3Dプリンターで作れる時代
上記の画像は、FLASHFORGE製の3Dプリンターを使って製作したロボットアームです。
いかがでしょうか?3Dプリンターで作ったとは思えないほど、アルミのような質感を再現できています。3Dプリンターを使えばロボットアームも簡単に作れる時代になり、製造現場での活躍がさらに期待されています。
ちなみに上記のロボットアーム製作に使われた素材は、FLASHFORGE製のPLAシルクフィラメントです。詳細は後ほどご紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
ロボットアームを3Dプリンターで作るメリット
「ロボットアームを3Dプリンターで作る意味はあるのか?」と、懐疑的な方も多いでしょう。実は、3Dプリンターによるロボットアーム製作には、思いのほか多くのメリットがあります。
既製品を使わず独自開発が容易になる
製造現場にロボットアームを導入する場合、大半のケースでは既製品を導入します。技術を持たないというよりは、「ロボットアームを製作する設備を整えるコストがかかる」というのが、製造現場での実情です。
そうした製造現場に3Dプリンターがあれば、特別な設備を整えなくてもロボットアームの部品製作に取り組むことができ、既製品を購入せずともロボットアームの独自開発が容易になります。ロボットアーム導入にかかるコストを大幅に削減できる可能性もあるでしょう。
カスタマイズされたハンドで精細な作業が可能になる
製造現場におけるロボットアームは、モノを「つかむ・はなす・はける」というのが基本的な動作です。仕組みはシンプルなのですが、どのようなモノを対象とするかによって、先端(ハンド)の形を変えなければいけません。
既製品の中にニーズを満たすようなハンドがない場合、3Dプリンターで独自に作ることをお勧めします。カスタマイズされたハンドにより、精細な作業が可能になる上に、ロボットアームの導入コストを削減できます。
製造現場の自動化に貢献できる
3Dプリンターを使ってさまざまなロボットアームを製造現場に導入すれば、大幅な自動化が期待できます。製造工程の自動化により、スタッフはより重要な作業に集中できるようになり、最終的には不良率の改善などに貢献します。
ロボット以外にも治具製作に最適
製造現場における3Dプリンターの活用方法は、ロボットアーム製作に限りません。たとえば、製造工程において部品を固定するための治具製作にも使えます。
製造工程における治具は部品を傷つけないために樹脂素材で作られているものが多く、3Dプリンターなら、多彩な樹脂素材を使ってニーズを満たす治具製作が可能です。
ロボットアーム製作におすすめの3Dプリンター機種
それではロボットアーム製作におすすめの、FLASHFORGE製3Dプリンターを2機種ご紹介します。
ちなみに、前掲のロボットアーム製作動画で使用しているのは、Creator3 Proの前機種のCreator3です。新旧機種の違いについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Creator3 Pro
Creator3 Proはデュアルヘッドを採用し、左右のノズルが独立して稼働するため、シングルヘッドの業務用3Dプリンターよりも多彩な造形に対応した新機種です。
左右対称モデル、左右同じモデルの同時造形に加えて、2つのカラーを使って1つの造形物を作り上げることもできます。また、左右で異なる素材の印刷ができるため、溶性サポートなどの使用も可能です。
Creator3よりもノズルとプラットフォームの加熱速度を向上させたことで、より素早く造形準備を整えられるようになりました。
造形サイズ(最大) | 幅:300mm奥行:250mm高さ:200mm |
本体サイズ | 幅:627mm奥行:485mm高さ:615mm |
造形方式 | FFF(熱溶解積層法) |
パネル | 4.3インチフルカラー |
電力 | 650W |
通信方式 | Wi-Fi、イーサネット、USBメモリ |
本体価格(税込) | 319.000円 |
Creator4S
Creator4Sは、FLASHFORGEが提供するCreatorシリーズの中で、最終製品の造形にも対応しているハイエンドモデルの業務用3Dプリンターです。最大造形サイズは幅400mm・奥行き350mm・高さ500mmとなっており、FLASHFORGE製品の中で最も大きな造形に対応しています。
ヒートチャンバーを搭載していることにより、庫内温度を最大65度まで温められます。これにより、造形中も一定の温度を保ちながら印刷が進められるため、ABSなど収縮の大きい材料でも反りのない安定した造形を実現可能です。
プラットフォームには磁気を採用しており、造形物を傷つけることなく取り出すことができます。また、X軸とY軸の両方に高精度なリニアガイドを搭載しており、非常に安定した造形を可能にした3Dプリンターです。
造形サイズ(最大) | 幅 :400mm奥行:350mm高さ:500mm |
本体サイズ | 幅 :840mm奥行:675mm高さ:1,000(1,050)mm |
造形方式 | FFF(熱溶解積層法) |
パネル | 7インチフルカラー |
電圧 | 1,500W |
通信方式 | Wi-Fi、イーサネット、USBメモリ |
本体価格(税込) | お見積り |
ロボットアーム製作におすすめの3Dプリンター素材
ロボットアーム製作におすすめのFLASHFORGE製3Dプリンター素材は、「PLAフィラメント」「PCフィラメント」「PETG-CFフィラメント」の3つです。それぞれの特徴をご紹介します。
PLAフィラメント | 「ポリ乳酸」と呼ばれるプラスチックの一種。トウモロコシやてんさい、じゃがいもなどから抽出されたデンプンが原料であり、植物性由来のバイオプラスチックのため環境負荷の小さい素材となっている。 |
PCフィラメント | エンジニアプラスチック素材の一種。耐衝撃性、耐候性、自己消火性に優れ、さまざまな条件下に対応できる。工業用パーツや治具に使われることも多い。 |
PETG-CFフィラメント | 耐衝撃性に優れ、透明性のあるPETGに炭素素材を配合、引張強度と曲げ強度が向上され、仕上がりが綺麗に。また、炭素繊維によって積層痕が目立ちにくい。 |
以上3つの3Dプリンター素材であれば、強度を保ちながら仕上がりの綺麗なロボットアームを製作することが可能です。
製造現場以外でも3Dプリンターロボットを作ってみよう
3Dプリンターを使ったロボット製作は、製造現場以外でも行うことができます。下記のようなシーンで、3Dプリンターを使ってロボットを作ってみてはいかがでしょうか?
<家庭>夏休みの自由研究に
子供の夏休みの研究に、3Dプリンターでロボット作りに取り組んでみるのもよいでしょう。3Dプリンターを使うには3Dグラフィックの操作なども必要なので、IT教育の一環にもなります。自分の力で製作したロボットが動作するところを見れば、感動は間違いありません。
<医療>ロボット用シリコン部品の金型として
医療現場では、医療技術の向上を目的としたロボットの製作現場において、3Dプリンターを活用することがあります。人間の皮膚などの柔らかい質感を再現するために、3Dプリンターで金型を作成し、シリコーン素材を流し込んで必要な部品を作り出すのです。
参考記事:シリコーン素材を使った3Dプリンターの活用方法についての解説はこちら!
<ホビー>ロボット型玩具のプロトタイプ作りに
ホビー製作の分野では、ロボット型のおもちゃ作りにおけるプロトタイプ製作に3Dプリンターを活用できます。金型を製造せずにプロトタイプを製作できるため、おもちゃ作りプロセスにおけるコスト削減に貢献できます。
まとめ
いかがでしょうか?本記事では3Dプリンターを使って製作するロボットアームについてとロボットアーム製作におすすめの3Dプリンター機種と素材をご紹介しました。
製造現場に3Dプリンターがあると、「ロボットアームを独自に製作できる」ということだけでも、さまざまなメリットを享受できます。ロボットアーム製作以外にもあらゆる場面で3Dプリンターを活用できるため、この機会に3Dプリンターの活用をぜひご検討ください。
もちろん、製造現場以外でも3Dプリンターにはさまざまな活用方法があるので、自社・自宅における3Dプリンター活用について、具体的にイメージを膨らませてみてください。