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3Dプリンター
- 2022.5.16
- 更新日:2022.5.16
【2022年】光造形3Dプリンターのおすすめ機種5選を家庭用・業務用別に紹介

家庭用・業務用にかかわらず、幅広く普及している3Dプリンターにはさまざまな造形方式があります。
その中でもポピュラーなものが「光造形方式」であり、本記事では光造形3Dプリンターの特徴や、おすすめ機種5選をご紹介します。
家庭用でも業務用でも光造形3Dプリンターは、初めての3Dプリンター導入におすすめです。その特徴を知り、目的に沿った3Dプリンターかどうかを確かめてみましょう。
ページコンテンツ
光造形3Dプリンターの仕組みとは?
光造形3Dプリンターは、紫外線を照射すると硬化する特殊な樹脂素材(レジン)を使い、造形物を1層ずつ印刷していくタイプの3Dプリンターです。
スライサーと呼ばれるソフトウェアを使い、造形する3Dグラフィックを無数の層に分断し、そのデータに従って造形物を印刷していきます。
レジンにはプラスチックのような質感からゴムのような質感まで、さまざまな素材が提供されています。
光造形3Dプリンターは初心者におすすめの3Dプリンターですが、レジンによって再現できる質感は多彩なので、さまざまなシーンでご利用いただけます。
家庭用・業務用の違い
光造形3Dプリンターにおける家庭用と業務用の違いは「価格」と「造形精度」です。
一般的に、家庭用の光造形3Dプリンターの方が安く提供されており、10万円未満で手にはいる機種がほとんどとなっています。中には1万円台で手にはいる機種もありますが、造形精度はかなり落ちるためご注意ください。
一方、業務用の光造形3Dプリンターは10~50万円程度で提供されています。必ずしも「価格が高いから良い」というわけではありませんが、細かい部分までコストがかけられている分、家庭用と比べると高い造形精度を実現できます。
光造形3Dプリンターのメリット
次に、光造形3Dプリンターが持つ4つのメリットを確認していきましょう。
造形物の量産が素早い
光造形3Dプリンターは、「造形物の量産」という点において、他の造形方式よりも優れています。
その理由は、レジンは他の造形方式で使われている素材に比べて熱する時間が短く、出力もスムーズなためです。中でもDLPと呼ばれるタイプの光造形3Dプリンターは、レジンに対して下から面状に紫外線を照射するため、素早い量産を実現します。
仕上がり精度が高い
造形物の仕上がり精度が高いというのも、光造形3Dプリンターの大きなメリットです。熱溶解積層方式と呼ばれる3Dプリンターでは、熱変形によって仕上がり精度が落ちる場合があります。
一方、光造形3Dプリンターは、変形が少なく解像度も高いため、より綺麗に再現することができます。フィギュアや部品のプロトタイプ作りなど、限りなく3Dグラフィックに近い仕上がりを求める場合は、光造形3Dプリンターがおすすめです。
滑らかな質感を再現できる
光造形3Dプリンターに使用するレジンは液体素材なので、造形時に滑らかな仕上がりになるのが特徴です。しかも、素材を選べばゴムのようなものなど、造形物に合わせてさまざまな質感を再現することができます。
透明度の高い造形も可能
ナチュラルカラーのレジンを使用し、研磨・トップコードを施せば透明度の高い造形も可能となります。アクリル系のレジンを使えば高い透明性を確保でき、造形後の研磨によって透明度をさらに高めることもできます。
光造形3Dプリンターのデメリット
メリットが多い一方で、光造形3Dプリンターにはデメリットもあります。購入前にデメリットもしっかりと確認し、正しい3Dプリンター導入を目指しましょう。
サポート材の除去が必要
光造形3Dプリンターを使って造形する上で欠かせないのが「サポート材」です。サポート材とは、造形物の中で浮いている部分を造形するにあたって、支え・土台となる材料を意味します。

上の画像のように、サポート材が必要な場合はスライサーソフトでサポート材を設置してから、3Dプリンターで造形していきます。光造形3Dプリンターで印刷する際、サポート材も一緒に造形する必要があるため、サポート材の除去が必要となります。
造形物によって、洗浄と二次硬化が必要
レジンを使って印刷すると、造形物は余計なレジンが付着した状態で出力されます。光造形3Dプリンターにおいては、そうした余計なレジンを洗い流さなければいけません。
一般的にはエタノールを使いますが、水で洗い流せるレジンもあります。ただし、洗浄後のエタノールや水にはレジンの樹脂が含まれているため、下水に流せないのが難点でしょう。
また、光造形3Dプリンターで仕上げた造形物は、レジンがまだ硬化しきっていない可能性があるため、二次硬化が必要となります。
光造形3Dプリンターの選び方
ひと口に光造形3Dプリンターと言っても、値段・性能はピンからキリまであります。自分・自社にとって最適な光造形3Dプリンターを選ぶためには、ここでご紹介する5つのポイントをしっかりと押さえることが大切です。
造形物のサイズを決める
まずは、光造形3Dプリンターを使って印刷しようと考えている造形物のサイズを決めましょう。光造形3Dプリンターごとに最大で造形できるサイズが決まっており、どんなに頑張っても最大サイズ以上の造形はできません。
したがって、現時点で想定している造形物のサイズを決め、それに応じて光造形3Dプリンターの機種をピックアップしていきます。「将来的にこんな造形物も作るかもしれない」など、先々まで考えたサイズ決定をおすすめします。
最適な素材を確認する
次に、現時点で想定している造形物から最適なサイズを確認しましょう。レジンにはさまざまなタイプの素材が存在し、質感も特性も違います。造形物によって合う・合わないもあるため、レジンごとの特徴を事前に確認しておきましょう。
3Dプリンターのクチコミを確認する
造形物のサイズ、最適な素材、そして素材や消耗品の方針を決めたら、導入すべき光造形3Dプリンターはいくつかに絞られてくると思います。そこで、各機種のクチコミを確認してみましょう。
家庭用・業務用ともに広く普及している光造形3Dプリンターには、既にさまざまなクチコミが集まっています。他のユーザーが実際に使ったときの感想を参考にしながら、光造形3Dプリンターを2~4機種ほどに絞りましょう。
3Dプリンターの性能・価格を比較する
最後に、ピックアップした光造形3Dプリンターの性能と価格を比較してください。性能面では主に本体サイズや出力速度、通信方式などを確認しましょう。
価格は購入費用だけでなく、素材費用や消費電力なども含めたランニングコストまで計算に入れることをおすすめします。
以上5つのポイントを押さえて、自分・自社に最適な光造形3Dプリンターを選んでみてください。
家庭用!おすすめの光造形3Dプリンター3選
それでは、家庭用におすすめのFLASHFORGE製の光造形3Dプリンターを3機種ご紹介します。
Foto6.0

Foto6.0は税込5万円未満で購入できる、家庭用におすすめのエントリーモデルです。エントリーモデルとはいっても高精度な造形が可能となっており、高速造形にも対応しています。
造形サイズはフィギュア製作や家庭用品製作なら、問題ないサイズとなっています。初めての光造形3Dプリンター導入で、高いコストパフォーマンスを求める方におすすめです。
項目 | 詳細 |
---|---|
造形サイズ(最大) | 幅 :130 mm奥行:82 mm高さ:155 mm |
本体サイズ | 幅 :230 mm奥行:200 mm高さ:410 mm |
造形方式 | 光造形方式(LCD) |
レジントレイ | 0.25L |
LCDパネル | 2Kモノクロパネル |
電圧 | 60W |
光源 | 405nmLED |
本体操作 | 3.5インチ タッチパネル |
通信方式 | USBメモリ |
本体価格(税込) | 47,300円 |
Foto8.9
Foto8.9は、Foto6.0より解像度の高い造形と、積層痕が目立たない造形を求める方におすすめの光造形3Dプリンターです。また、Foto6.0と比べて造形サイズも一回り大きくなっているため、光造形3Dプリンター活用の幅が広がります。
より細かい造形物の印刷にチャレンジしたいという方は、Foto8.9をご検討ください。
項目 | 詳細 |
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造形サイズ(最大) | 幅 :192 mm奥行:120 mm高さ:200 mm |
本体サイズ | 幅 :280 mm奥行:240 mm高さ:465 mm |
造形方式 | 光造形方式(LCD) |
レジントレイ | 0.5L |
LCDパネル | 4Kモノクロパネル |
電圧 | 120W |
光源 | 405nmLED |
本体操作 | 3.5インチ タッチパネル |
通信方式 | USBメモリ |
本体価格(税込) | 78,100円 |
Foto8.9s
Foto8.9sは家庭用の光造形3Dプリンターの高性能機種です。独自開発の工学システムによって紫外線照射のムラを10%以下に抑えたことで、Foto8.9も高い精度の造形を可能にしました。
造形サイズは全機種のFoto8.9と変わりませんが、大きさよりも造形物のディテールにこだわりたい方向けの光造形3Dプリンターです。さらに、Foto8.9より安定した出力を実現しています。
項目 | 詳細 |
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造形サイズ(最大) | 幅 :192 mm奥行:120 mm高さ:200 mm |
本体サイズ | 幅 :305 mm奥行:264 mm高さ:490 mm |
造形方式 | 光造形方式(LCD) |
レジントレイ | 0.5L |
LCDパネル | 4Kモノクロパネル |
電圧 | 120W |
光源 | 405nmLED |
本体操作 | 3.5インチ タッチパネル |
通信方式 | Wi-Fi、USBメモリ、イーサネット |
本体価格(税込) | 96,800円 |
業務用!おすすめの光造形3Dプリンター2選
それでは、業務用におすすめのFLASHFORGE製の光造形3Dプリンターを2機種ご紹介します。
Foto13.3

項目 | 詳細 |
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造形サイズ(最大) | 幅 :292 mm奥行:165 mm高さ:400 mm |
本体サイズ | 幅 :380 mm奥行:380 mm高さ:685 mm |
造形方式 | 光造形方式(LCD) |
レジントレイ | 1.8L |
LCDパネル | 4Kモノクロパネル |
電圧 | 150W |
光源 | 405nmLED |
本体操作 | 4.5インチフルカラー |
通信方式 | イーサネット、USBメモリ |
本体価格(税込) | 363,000円 |
Foto13.3はフォトシリーズの中で最大造形サイズを誇る光造形3Dプリンターです。以下の画像は、Foto13.3を使って作成したバックルの試作品です。
新製品「Foto13.3」でバックルを作ってみました。
— FLASHFORGE JAPAN (@flashforge_jp) July 5, 2021
Foto13.3については販売に向けてテスト中なので、
また試作が出来ればご紹介します!#FF_FOTO #flashforge #3Dプリンター pic.twitter.com/IB8sZBoL8j
1度の印刷で合計24個のバックル製作に成功しました。Foto13.3はこうした小型部品の大量生産にも向いているため、おすすめです。
Hunter

Hunterは造形サイズこそFoto13.3より小さいものの、より精度の高い造形と、キャスト(鋳造)用レジンに対応しており、ジュエリー製作にも活用できるという特長があります。
キャストレジンを用いることでロストワックス製法が可能になり、カスタムオーダーに対応したジュエリー製作ができるようになります。
項目 | 詳細 |
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造形サイズ(最大) | 幅 :120 mm奥行:67.5 mm高さ:150 mm |
本体サイズ | 幅 :360 mm奥行:310 mm高さ:565 mm |
造形方式 | DLP(光造形方式) |
レジントレイ | 250ml |
電圧 | 90W |
光源 | 405nmLED |
本体操作 | 3.5インチフルカラー |
通信方式 | USB、USBメモリカード、Wi-Fi |
本体価格(税込) | 333,300円 |
まとめ
いかがでしょうか?本記事では光造形3Dプリンターの特徴や、おすすめ機種5選をご紹介しました。
光造形3Dプリンターは最も古くから存在する造形方式ですが、今でも進化しており、精度の高い造形が可能となっています。3Dプリンターを初めて導入する場合におすすめなので、初導入を目指している方はぜひ光造形3Dプリンターをご検討ください。