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3Dプリンター
- 公開日:2021.12.1
- 更新日:2022.4.12
3Dプリンターのデータ作成方法とデータ作成時の注意点について
3Dプリンターは何もないところから立体物を造形できません。
JPEGやPDF形式のデータなどをもとに紙の印刷を行うのと同じように、3Dプリンターも造形する際に3Dデータが必要となってきます。
この記事では、3DCADと3DCGの違い、3Dデータを作成する方法、データ作成から出力までの手順をわかりやすく解説します。
最後まで読んでもらえると、3Dプリンターにおける3Dデータの活用方法を理解していただけるかと思います。
ページコンテンツ
3DCADと3DCGの違い
3Dデータを作成する前に、ここでは3Dデータ作成ソフトのそれぞれの共通点や違いについて解説します。
3Dデータ作成ソフトは大きく分けると2種類あります。それは、3DCADと3DCGです。
3DCADと3DCGの共通点は三次元形状を作成できるというところです。では、違いは何なのかというと、使用用途です。
3DCADは自動車や建築物、機械部品などといったモノづくりのための設計書として3Dデータが利用されています。
一方で、3DCGはアニメや映画といった映像コンテンツといった見た目へのこだわりが求められる3Dデータの作成に利用されています。
3Dプリンターを使って、何かを作りたい場合は3DCADソフトまたは3DCGソフトのいずれかを用いて3Dデータを作成していきます。
3Dプリンターのデータを自作する2つの方法
3Dプリンター用のデータを作成するには以下の4つの方法があります。
①3DCADソフトを使用する
➁3DCGソフトを使用する
③3Dスキャナーを用いて実物をスキャンする
④3Dデータをダウンロードする
ここでは、3Dプリンター用のデータを自作する①と➁の方法についてご紹介します。
3DCADソフトを用いたデータ作成
3Dプリンター用のデータを自作する際に最も活用されているのが3DCADソフトを用いたモデリングです。
3DCADソフトは「ワイヤーフレーム」「サーフェス」「ソリッド」の3つがあります。
ワイヤーフレームは点と線を使って表現したもの。データ容量が小さく、表示速度が速いのが特徴です。
モデリング作業を円滑に進めるために、ソリッドモデルをワイヤーフレーム表示にすることもあります。
サーフェスは点と線を使った表現に面での表現が加わった体積を持たない立体。面には厚みがなく、質量を持っていません。また、閉じた形状をモデリングしたとしても、中身は空洞で、空箱のような状態です。
一方で、ソリッドは点と線、そして面で表現された体積を持つ立体で、中身が詰まった閉じた状態です。そのため、体積・重心・重量の計算ができます。現在、販売されている機械系3D-CADは主にソリッドモデルを使用します。
3DCGソフトを用いたデータ作成
3DCGソフトを用いたデータ作成は「ポリゴンモデリング」と「スカルプトモデリング」の2種類があります。
ポリゴンモデリングはポリゴンと呼ばれる多角形を多数組み合わせて立体物を作成していきます。
対して、スカルプト(彫刻する)モデリングは彫刻を施すような感覚で直感的にモデリングを作成する方法です。
主に、この2種類の方法を使って、データを作成することができます。
3DCAD,3DCGソフトを用いてデータを作成した上で、その後、3Dプリンターで出力をするまでどのような手順で作業を進めていけばいいのか、ここから詳しく解説します。
3Dプリンターのデータ作成後の一連の流れ
データ変換する
3DCADもしくは3DCGソフトで作成したファイル形式を3Dプリンターに対応しているファイル形式に変換する必要があります。3Dプリンター用のファイル形式はいくつか種類がありますが、「STLファイル」に変換されることが多いです。
どのファイル形式にすればいいのかわからない場合は、STLファイルで変換しておけば問題はありません。
ほとんどのCADソフトは、STLファイルで保存することができますが、ファイル形式に対応していない場合は別途ソフトウェアを用意して、ファイルを変換する必要があります。
スライサーソフトを使ってGコードに変換する
3DCADや3DCGで作成したデータのままでは、3Dプリンターで出力することができません。
3Dプリンターで出力するためには、3Dプリンターが読み取れるファイル形式に変換する必要があります。
そのため、STLデータからGコードと呼ばれるファイル形式に変換していくのですが、その変換作業はスライサーソフトを活用します。スライサーソフトでは、造形物の充填率や積層の高さ、ノズルの移動速度などを設定することで、Gコードが生成されます。
Gコードが生成されるというのは、何を意味するのかというと、STLデータをもとにどのようにノズルを動かして、積層していくのか、その手順を示したものです。
このGコードはプログラミング言語なので直接編集することもできますが、プログラミングがわからない人はスライサーソフトを使って、Gコードを生成した方が上手くいくでしょう。
Gコードが完成したら、このデータをもとに3Dプリンターで造形物を出力することができます。
3Dプリンターのデータ作成時の注意点
最後に、3Dプリンター用のデータを作成するときの注意点についてお伝えします。
高解像度な設定にする
3DCADか3DCGソフトで作成したデータをSTL形式のデータに変換する際に、なるべく解像度を高くしてから変換してください。
なぜかと言うと、解像度が粗いと寸法精度が出にくくなるからです。
解像度を高めると、データ容量が大きくなります。
そのため、3Dプリンターが読み取るのに少し時間はかかりますが、寸法精度を上げるには解像度を高める必要があります。
閉じた状態にする
ポリゴンに穴が空いていると、造型することができません。なので、3Dデータを修正して、穴をふさいでからポリゴンデータに変換しましょう。
肉厚を厚くする
厚みが薄すぎると、造型されなかったり、造型されたとしても折れてしまう場合があります。
そのため、厚さは使用する3Dプリンターのノズル径以上に設定してからモデリングを行ってください。
もちろん、3Dプリンターの種類によって変わってくるので、一概には言うことはできません。
なので、まずはテストプリントを行い、強度を確かめた方が良いでしょう。
最後に
今回ご紹介した3Dデータを作成方法やデータ作成から出力までの手順についてはよく利用されているものを中心に取り上げました。
FLASHFORGEは、家庭用3Dプリンターから工業用3Dプリンターまで取り揃えています。
また、3Dプリンターに興味を持ってもらう人を増やすために、試作はもちろんのことモノづくりの一部始終を TwitterやYouTubeで発信していますので、もしよければこちらもご活用ください。