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3Dプリンター
- 2022.7.27
- 更新日:2022.7.27
3Dプリンターのフィギュア制作に必要なデータの作り方は?おすすめ機器も紹介

3Dプリンターは、試作品やデザインの検討、治具の作成などの幅広い用途で使われています。昨今では造形精度に優れた機器も多く、見た目が重要視されるフィギュア制作でも3Dプリンターが活用されています。
また、さまざまなメーカーがコスパのよい3Dプリンターをラインナップしているので、家庭でDIYや趣味の用途で導入している方も増えつつあります。もし家庭で3Dプリンターがあれば、オリジナルのキャラクターを自作することも可能です。
この記事では、フィギュア制作に興味がある方向けに、3Dプリントに必要なデータの作り方や、おすすめの3Dプリンターなどについて解説します。
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3Dプリンターがあれば家でもフィギュア制作が可能に

3Dプリンターを使ったサービスとして、フィギュア制作を提供している企業があります。3Dプリントされたフィギュアは、結婚式のウェルカムドールやイベントの記念品などで需要があります。
現在では、値段が安くて造形精度に優れた3Dプリンターがラインナップされているため、自宅でもフィギュアを作ることができます。3DCADや3DCGソフトを扱えば、3Dデータを編集しての3Dプリントも可能です。
上の写真は、FLASHFORGEにて、北京冬季オリンピックの正式マスコット「ビンドゥンドゥン」を3Dプリントしたものです。ビンドゥンドゥンの制作過程は以下の記事で紹介していますので、基本的なフィギュア制作の流れを知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
フィギュア制作に必要な3Dデータの作り方

ここでは3Dデータを用意するための方法について解説します。
フィギュアを3Dプリントするには、元データとなる3Dデータを用意しなければなりません。しかしデータの作り方などによっては、あまり時間をかけずに用意することが可能です。
3DCADによるデータ作成
3DCADは、主に機械製品や建築物などの3Dモデリングをするのに使われているソフトウェアです。
3DCADではモデリングするには、製品寸法や角度などのパラメータを入力しながら進めます。そのため構造物や部品など、寸法が決まったモノをモデリングしたい場合は、3DCADが適しています。
3DCGによるデータ作成
1から3Dデータを作成するには、3DCGソフトを利用するという方法もあります。
3DCGは3DCADと違い、四角や三角形などの図形を組み合わせたり、曲面を使ってモデリングを行う仕組みで、主に見た目を重要視するモノに対して利用されています。
そのため、見た目が重要なフィギュアを制作するのであれば、3DCGを利用するのがおすすめです。
また、オリジナルのキャラクターを作るのであれば、ピクシブ株式会社が提供しているソフトウェア「VRoid Studio」を利用する方法もあります。
VRoid Studioは、3D制作初心者の方でも簡単にキャラクターメイキングができるほか、利用するのに費用がかからないのもポイントです。制作したキャラクターを3Dプリントする際は、有料サービスの「pixivFACTORY」を利用することでプリントが可能です。
3Dスキャナーで実物をスキャン
3Dスキャナーを用いれば、既にあるフィギュアをスキャンして、3Dデータ化することが可能です。3Dスキャナーは、3DCADやCGソフトからデータを作成できない方でも、現物から簡単に3Dデータを用意できるのがメリットです。
3Dスキャナーは、機器を導入していない方でも現場に3Dスキャナーを持ち込んでスキャンするなどのサービスがあります。当社でも日本国内どこでも出張をして3Dスキャンするサービスを提供しておりますので、3Dスキャンに興味のある方は、お気軽にご相談ください。
ダウンロードサイトから3Dデータを取得
オリジナルのデータでなくてもよい場合は、インターネット上で3Dデータを提供しているサイトなどを利用する方法もあります。
サイトの検索欄から3Dプリントしたいジャンルを入力して、お気に入りのデータをダウンロードしてみましょう。
ただし、ダウンロードサイトを利用する際はトラブルが起きないよう、あらかじめ著作権や商用利用などのライセンスを確認してから利用するようにしてください。
参考記事:3Dプリンターの設計図がダウンロードできる!おすすめサービス7選
3Dデータ作成サービスを利用
3Dデータ作成サービスを利用すれば、フィギュア化したいイラストや写真から、3Dデータを作成してもらえます。また、サービス内容によっては3Dプリントまで対応できるところもあります。
造形物の精度や素材、対応するサイズ、後加工の内容、納期などはサービスを提供している業者により異なるので、詳細についてしっかりと相談するようにしましょう。
フィギュア制作におすすめの3Dプリンター
ここではFLASHFORGEで取り扱っている、フィギュア制作におすすめの3Dプリンターを2点ご紹介します。
Foto8.9

Foto8.9は、造形精度とコストパフォーマンスに優れた、LCD方式の光造形3Dプリンター。低価格でも仕上がりのよいフィギュアを制作したい方におすすめのモデルです。
LCD方式は材料であるレジンに光を照射し、硬化させて造形を行うタイプです。点ではなく面で光を照射するので、最高50mm/hの高速造形が可能。また、本体に搭載しているLCDパネルと405mmLEDにより、出力したモデルの表面がキレイかつ滑らかに仕上がります。
消耗品や部品は自社工場にて生産およびストックをしているため安心。不具合が生じたときでもすぐに交換できます。

・Foto8.9の仕様
項目 | 詳細 |
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モデル名 | Foto8.9(フォト8.9) |
造形サイズ(最大) | 192 x 120 x 200 mm |
本体サイズ | 280 x 240 x 465 mm |
造形方式 | LCD(光造形法) |
LCDパネル | 4Kモノクロパネル |
プリント速度 | 10-50mm/h |
積層ピッチ | 0.05〜0.2mm(設定可能最高レイヤー0.025mm~) |
レジントレイ | 0.5L |
販売価格 | 71,000円(税込78,100円) |
Foto13.3

Foto13.3は、Fotoシリーズのなかで最大の造形サイズに対応した、LCD方式の光造形3Dプリンター。大きいサイズかつ、造形精度の高いフィギュアを制作したい方におすすめのモデルです。
従来では、光造形3Dプリンターは大型造形には不適とされていましたが、Foto13.3では最大292×165×400mmの造形サイズに対応できるようになりました。
造形の土台となるプラットフォームは、サンドブラスト加工を施すことで造形物がより定着しやすくなるよう設計。大型のフィギュア造形でも印刷時に落下するのを防止します。
レジントレイには目盛りを搭載しているので、レジンを投入する量が分かりやすく、印刷時に溢れる心配もありません。

・Foto13.3の仕様
項目 | 詳細 |
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項目 | 詳細 |
モデル名 | Foto13.3(フォト13.3) |
造形サイズ(最大) | 292 x 165 x 400 mm |
本体サイズ | 380 x 380 x 685 mm |
造形方式 | LCD(光造形法) |
LCDパネル | 4Kモノクロパネル |
プリント速度 | 10-30mm/h |
積層ピッチ | 0.05〜0.15mm |
レジントレイ | 1.8L |
販売価格 | 330,000円(税込363,000円) |
フィギュア制作に関する3Dプリンターのよくある質問
最後にフィギュア制作に関する3Dプリンターのよくある質問について回答します。
フィギュアは初心者でも作れる?
フィギュア制作の元となる3Dデータは、3DCADや3DCGを使ってオリジナル品を作る場合は難易度が高くなりますが、ダウンロードサイトや3Dキャラメイクソフトを使えば、初心者でも手軽にデータを用意できます。
また、3Dプリンターの操作については、日本語による対話式のタッチパネル機能を搭載した機器のように操作性に優れたモノを利用すれば、初心者でも無理なく扱えます。
積層痕で塗装しにくい場合はどうする?
3Dプリントしたフィギュアは、造形の仕組み上、材料が積み重ねられた積層痕が付く傾向にあります。フィギュアを塗装する場合、積層痕が粗いと塗装がしにくくなるので、表面をヤスリで研磨しましょう。
より塗装しやすくするには、表面の保護コーティング剤を用いるのがおすすめです。保護コーティング剤は、FLASHFORGEでも取り扱いがあるので、塗装でお悩みの方はチェックしてみてください。
<<高性能3Dプリントコーティング Smooth-On XTC-3Dの詳細はこちら
3Dデータ作成のおすすめのソフトは?
フィギュア制作であれば、3DCGソフトの「Blender」と「ZBrush」がおすすめです。
Blenderは無料のソフトなので気軽に導入できます。また、3Dモデル制作に関してできることが豊富で機能面で困ることがなく、本格的に3DCGを学びたい方にも適しています。
ZBrushは有料のソフトになりますが、スカルプトモデリング機能に優れているのがメリットです。粘土を扱うようにモデリングができるので、初心者でも扱いやすく、フィギュア制作の用途で人気があります。
フィギュア制作の用途に限らず、おすすめの3Dデータ作成ソフトを知りたい方は以下の記事もチェックしてみてください。
参考記事:3Dプリンターのデータ作成におすすめのフリーソフトをご紹介!
まとめ
3Dプリンターでフィギュアを作るには、機器や材料だけでなく、3Dデータを用意しなくてはなりません。
しかし、3DCADや3DCGソフトを使えない方でも、3Dモデルのダウンロードサイトや、初心者でも扱いやすいソフト、3Dスキャンサービスを利用するなどの方法があります。
3Dプリンターの導入が難しい方は、3Dプリントサービスを利用するのも1つの方法です。これらのように、さまざまなフィギュアの作成方法があるので、どの方法が自身に適しているかを確認するとよいでしょう。
FLASHFORGEでは、フィギュアの作成に適した3Dプリンターの販売や、3Dスキャナーの出張測定サービスなどを提供しております。3Dプリンターのことでお悩みの方は、気軽にお問い合わせください。