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3Dプリンター
- 2018.7.9
初心者でも失敗しない3Dプリンターの選び方

3Dプリンターは、安ければ3万円で買える商品もあれば、何百万円もかかる商品もあり、決して安い買い物ではありません。
そのため、失敗は出来ないので、自分の用途に合った後悔しないものを選びたいですよね。
しかし、多くの方が「3Dプリンターの種類が多くて、どれが良いのかわからない」と悩んでいます。
そこで、この記事では、初心者の方でも3Dプリンターを失敗せずに選ぶ方法について紹介します。
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3Ⅾプリンターとは?
3Dプリンターは、3D CADなどの3次元のデータを元に、立体物を作る造形装置です。
通常のプリンターのように平面的に印刷するのではなく、樹脂などの材料を積み重ねることにより、造形物を立体的に作成することが出来ます。
販売された当初は、価格が非常に高く、一般消費者向けではありませんでした。
しかし、今では、Amazonなどで家庭用の高性能の3Dプリンターも10万くらいで購入することが出来るようになりました。
また、後ほど説明しますが、3Dプリンターといっても造形物を作成する方法に様々な種類があります。
そのため、自分が作成したい完成物に合った3Dプリンターを選ぶ必要があります。
3Dプリンターの選び方
では、具体的に3Dプリンターを選ぶ際には、何をポイントにすれば良いのでしょうか?
ここでは、大きく分けて下記の3つに分けて紹介していきます。
- 造形方式から選ぶ
- 機能から選ぶ
- 材料で選ぶ
どれも、3Dプリンターを選ぶ判断基準になる非常に大事な要素です。一つずつしっかり見ていきましょう。
造形方式から選ぶ
まずは、最も大切な「造形方式」から説明していきます。
なぜなら、機能や価格など3Dプリンターを選ぶ上で大切な要素はありますが、その中でも「自分が理想とする造形物」を作る際には「造形方式」が最も大切だからです。
ちなみに、あなたは3Dプリンターに何を求めますか?
- 精度ですか?
- 速さですか?
- 強度ですか?
- コスパですか?
それがはっきり決まっているのであれば、下記の代表的な造形方式の特徴を基に自分に合った造形方式を決めることが出来ます。
- 光造形方式
- インクジェット方式
- 粉末燃結方式
- 熱溶解積層方式
- 粉末固着(接着)方式
光造形方式は、高精度で不動の人気のベーシックタイプです。
複雑な形状を作りたい方には、精度の高いこの光造形方式がおすすめです。
インクジェット方式は、まるで印刷のようにスピーディーで高解像度タイプです。
造形物の色合いにこだわりたい方には、高解像度のインクジェット方式をおすすめします。
粉末燃結方式は、唯一の金属の出力も出来る特殊タイプです。
とにかく耐久性が高いものを作りたい方は絶対にこちらがおすすめです。
熱溶解積層方式は、コンパクトサイズでコスパ抜群!家庭用の3Dプリンターのほとんどがこのタイプです。
初めて使う方や趣味として3Dプリンターに挑戦したい方には、熱溶解積層方式が無難ですね。
粉末固着(接着)方式は、フルカラーでランニングコストを抑えられるタイプ。
フィギュアや建築モデルなど発色が求められるものを作りたい方におすすめです。
より詳しくそれぞれの違いを知りたい方は、「3Dプリンターの種類は?|初心者が知っておくべき5つの造形方式」をご確認下さい。
機能から選ぶ
造形方式が決まったら、続いては、3Dプリンターの機能を確認しておきましょう。
機能を事前に確認しておかないと、多くの時間とお金を失う可能性があります。
なぜなら、せっかく商品を購入しても設定方法がわからずに多くの時間を費やしてしまう場合や最悪そのまま放置になる場合もあります。
また、造形物が少し曲がってしまい、完成度に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、最低限この機能は見ておいて損がないという機能について紹介します。
オートキャリブレーション
オートキャリブレーションとは、キャリブレーション機能の一つで、、立体物を出力する台である「ベッド」の水平度を調整する機能です。
キャリブレーションには、次の2種類があります。
・マニュアル
・オート
マニュアルの場合は、初期設定に非常に時間がかりますし、設定する人の裁量により造形物に影響します。
そのため初心者の方は、時間削減と完成度を上げるためにもオートキャリブレーション機能があるものを選びましょう。
スライスソフト(スライサー)
3Dプリンターで造形物を作成するには、スライスソフトが必要です。
なぜなら、3Dプリンターは、このスライスソフトのデータを基に出力します。
スライスソフトは、無料のものから有料のもの、さらには、既に本体にダウンロードされているものまであります。
初心者の方は、すでに本体にダウンロードされているスライスソフト、そして、使い方がわかりやすいもの、もしくは、サポートがしっかりしいているものを選びましょう。
フィラメントで選ぶ
3Dプリンターは、造形方式により、どの材料(フィラメント)を使用するかが異なります。
中には、その3Dプリンター専用のものしか使えないものもあるので、事前に確認しておきましょう。
- 光造形方式:エポキシ系樹脂(完成度が高いが、値段も高い)
- インクジェット方式 :アクリル系樹脂(表面が滑らかに仕上がるが、力を加えると壊れやすい)
- 粉末燃結方式:樹脂系素材・チタン・ニッケルなどの金属系素材(耐久性が高い反面、表面がざらざらしている)
- 熱溶解積層方式:ABS樹脂・PLA樹脂(コスパが良いが、仕上がりが粗い)
- 粉末固着(接着)方式:石膏粉末(費用を抑えられるが、脆くて壊れやすい)
上記のように各造形方式によって、材料の特徴が異なります。
それぞれの特徴についてより詳しく知りたい方は、「3Dプリンターの種類は?|初心者が知っておくべき5つの造形方式」をご確認下さい。
3Dプリンターを選ぶ際の注意点
最後に、3Dプリンターを選ぶ際に多くの方が勘違いしている注意すべき2つのことについて紹介しておきます。
失敗しないためにも併せて確認しておきましょう。
積層ピッチ至上主義
未だに積層ピッチが細かい商品が、良い商品だと思っている人が多くいます。
しかし、積層ピッチはあくまで一つの指標です。
実は、積層ピッチよりも、
・フィラメントの質
・オートキャリブレーション
・プリンターの再現性
などが造形物を高精度にするために必要です。
また、当然のことですが、積層ピッチが細かくなればなるほど造形時間は遅くなります。
例えば、今まで積層ピッチが0.3mmの3Dプリンターを使用しているとします。
さらにクオリティの高い造形物を作りたいと思い、積層ピッチが0.15mmの3Dプリンターに変えたとします。
すると、単純に今まで一回で0.3mmだったのが、その半分の0.15mmになるので滑らかにはなりますが、2倍時間がかかりますよね。
クオリティを高めるには、積層ピッチも関係していますが、まずは、それ以外の機能を考慮に入れましょう。
造形可能サイズは大きければよいわけではない
3Dプリンターで出力する場合、「一度に一気に大きなものを出力したい」と思っていませんか?
しかし、造形可能サイズが大きくなることで次のようなデメリットもあることを頭に入れておかなければなりません。
・造形物クオリティの低下
・フィラメントが切れる可能性がある
・費用が高い
まず、造形物が大きいものを一気に出力すると、歪みや反りが大きくなります。
そのため、データを小さく分割して、少しずつ作ることをおすすめします。
さらに、造形物が大きいということは、当然出力される時間も長くなりますよね。
その場合、途中でフィラメントが切れる可能性もありますし、一回当たりの材料費もかなり高くなってしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
3Dプリンターの選び方はわかりましたか?
この記事を参考に、自分にあった3Dプリンターを選んでくださいね。