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3Dプリンター
- 公開日:2022.5.20
- 更新日:2022.5.30
3Dプリンターでプラモデルを作る方法!車や飛行機の製作事例まで紹介
3Dプリンターでプラモデル作りを楽しむ方が増えています。その理由は、手頃な価格で3Dプリンターが購入できるようになったためです。また、ダウンロードサイトではプラモデルの3Dデータがダウンロードできるため、デザインスキルがない方もプラモデル作りが楽しめることも理由でしょう。
今回は誰でも楽しめる3Dプリンターのプラモデルの作り方をご紹介します。
ページコンテンツ
オリジナルプラモデルを製作する3Dプリンター
3Dプリンターとは、3Dデータを元にして、断面形状を積層し立体モデルを製作する機械のことをいいます。
3Dプリンターでオリジナルプラモデルを製作する人が増えている理由は、3Dプリンターを利用すれば、従来のスクラッチ(プラ板やパテなどを使用して1からプラモデルを作る方法)よりも簡単にプラモデルが製作できるようになったためです。
また、プラモデルが自作できるようになれる講座の登場や3Dプリンターが低価格で購入できるようになったことも、プラモデル製作を楽しむ方が増えてきた理由です。
3Dプリンターでプラモデルを作るメリット
次に3Dプリンターでプラモデルを作るメリットをご紹介します。
アイデアを造形することができる
3Dプリンターでプラモデルを製作すれば、どのようなアイデアでも形にできます。3DCADで描いたデータを3Dプリンターで出力するだけと手軽さが人気です。
プラモデルを組み立てていると、カスタムパーツが欲しくなることも多いでしょう。商用利用せず、個人でプラモデルをカスタマイズして楽しむ場合は法律上問題になりません。アイデアでパーツを作りオリジナルのプラモデル作りが楽しめます。
プラモデルの造形精度が高い
3Dプリンターでプラモデルを作ると、造形精度が高くて美しい仕上がりになります。一般的なプラモデルの製作方法である射出成型は、金型の仕上がりに左右されて、樹脂の冷却時における収縮が起きて品質が落ちる恐れがあります。
3Dプリンターは、3Dデータに沿って一層一層、材料を積層していくので造形精度が高いです。プラモデルの形状で付き出ているオーバーハングの部分があっても、サポート材で支えれば出力できます。
射出成型では再現不能なオーバーハングの部分も造形できることが3Dプリンターの魅力となっています。
誰でもプラモデル作りが楽しめる
3Dプリンターによるプラモデル作りは誰でも楽しめます。その理由は、プラモデルの3Dデータがサイト上でダウンロードできるためです。これらのデータを利用すれば、自分で3DCADを使用してモデルを描く必要はありません。
3Dデータをサイトからダウンロードして、3Dプリンターで出力するだけでフィギュアが作れます。このような手軽さも3Dプリンターによるプラモデル作りの魅力です。
3Dプリンターによるプラモデルの作り方
3Dプリンターによるプラモデルの作り方は5ステップです。
- 必要な物を準備する
- 3Dプリンターデータを作成する
- スライサーソフトでデータ変換する
- 3Dプリンターデータでモデルを出力する
- プラモデルに付いたサポート材を取り除く
ここでは、それぞれの工程について具体的に説明していきます。
1.必要な物を準備する
3Dプリンターでプラモデルを作る場合に必要な物を準備しましょう。
1.3DCAD
アイデアを造形したい場合は、モデルを描くための3DCADが必要になります。3DCADには無料版と有料版のソフトがあるため、要望に見合ったものを選んでみてください。代表的な3DCADには以下のようなものがあります。
Funsion360 | Autodesk社が提供する3DCADソフトで、オールマイティな機能が搭載されている覚える操作は多いが、日本語で操作方法が質問できるコミュニティサイトがあるため学習環境が整っている |
DesignSpark Mechanical | コマンドの種類が限られており、初心者でも簡単に3Dデータが作成できる |
BricsCAD | 有料版の3DCADソフトで、機械設計やBIMデータなどの本格的な機能が備わっている |
2.PC
3DCADソフトが起動できるスペックのPCが必要になりますが、各ソフトの推奨スペックは数カ月おきに変わることがあります。そのため、各3DCADソフトの推奨スペックを調べてから、パソコンを購入することをおすすめします。例えば、Fusion360ソフトの推奨スペックはこちらのページから確認することができます。
3.3Dプリンター
3Dデータを出力するための3Dプリンターが必要です。
3Dプリンターには、さまざまな出力方式がありますが、プラモデル作りを楽しみたい方は「光造形方式」を選んでください。その理由は、光造形方式は液体樹脂を用いるため、表面が滑らかで高精度な仕上がりになるためです。
他の造形方式と比較すると造形時間はかかりますが、高い完成度になるためプラモデル作りに最適です。
4.サポート材の除去に必要な工具
3Dプリンターでプラモデルを作る場合は、必要に応じてサポート材を付けます。造形物が硬化した後に不要なサポート材を除去していく必要があるため、その際に使う工具を用意しておきましょう。以下のような工具があると、サポート材除去が効率化できます。
【必要な工具】
- 精密ニッパー
- 精密ラジオペンチ
- 精密マイナスドライバー
- カッターナイフ
- ピンセット
2.3Dデータを作成する
3Dデータを作成する方法には、以下の3つの方法があります。
- 3DCADでプラモデルを描く方法
- プラモデルの3Dデータをサイトからダウンロードする方法
- 3Dスキャナーでプラモデルをスキャンする方法
デザインスキルがない方は、3Dデータをサイトからダウンロードする方法がおすすめです。サイトには、数多くの3Dデータが登録されているので楽しめるでしょう。3Dデータをダウンロードできるサイトの詳細について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
<<【参考記事】3Dプリンターの設計図がダウンロードできる!おすすめサービス7選
3.スライサーソフトでデータを変換する
3Dデータをスライサーソフトを使用して3Dプリンター用のデータに変換していきます。3DCADデータのSTLは代表的なファイル形式ですが、3DプリンターはSTLデータを認識できません。
したがって、スライサーソフトを用いて3Dプリンター用データに変換する必要があります。このデータを3Dプリンターに読み込ませることで、一層一層を出力していけるようになるのです。
4.3Dプリンターデータでプラモデルを出力する
3Dプリンターのデータを用意できたら、読み込ませて印刷していきます。フィギュアの印刷向きによって、サポート材の量が変わることが多いです。
サポート材を大量に使用すると「コスト増」「後処理が大変」「造形時間が長くなる」なども問題が出てくるため、プラモデルを印刷する向きに拘ってください。
5.プラモデルのサポート材を取り除く
プラモデルの印刷を終えたら、サポート材を取り除いていきます。プラモデルは品質が重視されるため、細部のサポート材を取り除く場合には工具を使用して慎重に取り除いてください。また、取り除きやすいサポート材を使用すると後処理が簡単になります。
プラモデル作りにおすすめの3Dプリンター用レジン
プラモデルを作る場合におすすめの3Dプリンターフィラメントは、ABSライクレジンです。このレジンは、靭性が強化されているため、割れにくくフィギュア製作に向いています。ジョイントパーツの作成にも期待できて、納得のいく品質のフィギュアが作れるでしょう。
3Dプリンターによるプラモデル作りでよくある質問
最後に3Dプリンターによるプラモデル作りでよくある質問をご紹介します。
Q.大好きなプラモデルを複製できますか?
プラモデル自体には著作権は存在しないため、大好きなプラモデルのカスタムパーツを作って楽しむ行為は違法ではありません。自分だけのオリジナルプラモデルにカスタマイズしたいと、3Dプリンターを楽しむ方が増えています。
しかし、プラモデルのカスタムパーツを商用目的で販売すると、キャラクターの著作権を侵害してしまいます。そのため、商用目的ではなく自分で楽しむ程度にしておきましょう。
Q.3Dプリンターのプラモデル製作はビジネスになりますか?
オリジナルキャラクターのプラモデルを製作し、それをTwitterやYouTubeなどで発信することで、知名度が上がることがあります。このような背景があるため、プラモデルを商品化して販売するのではなく、オリジナルのカスタムパーツなどの3Dデータをサイトで販売する方も増えています。
Q.プラモデルデータが取得できるサイトを教えてくれますか?
プラモデルデータが取得できるサイトには、以下のようなものがあります。
Free3D | プラモデルの種類が豊富で無料でダウンロードできるデータが多い「乗り物」「キャラクター」「動物」などカテゴリー分類がされていて探しやすい |
Artist-3D | アーティストが手掛けたハイクオリティな3Dデータが無料でダウンロードできる全て英語で記載されているため、検索しにくいのがデメリット |
ニコニ立体 | 美少女系の3Dキャラクターの3Dデータが豊富に用意されている |
CGTrafer | 3Dデザイナーコミュニティで、デザイナーが手掛けたプラモデルの3Dデータが購入できる |
まとめ
3Dプリンターを利用すれば、好きなプラモデルが作れます。完全オリジナルのフィギュアを楽しむ方法もあれば、カスタムパーツを作り楽しむ方法など楽しみ方はさまざまです。
また、ダウンロードサイトで3Dデータを取得すれば、3DCADでモデルを描く必要はなく初心者でもプラモデル作りが楽しめます。初心者から上級者までモノづくりが楽しめるため、ぜひ、興味がある方は3Dプリンターでプラモデルを作ってみてください。