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3Dプリンター
- 公開日:2022.7.4
- 更新日:2022.7.27
3Dプリンターで鉄道模型を作る方法!おすすめの機種まで紹介
3Dプリンターで鉄道模型を作れば、車両をはじめ、信号機などの情景パーツや鉄橋などの構造パーツが作れます。3Dプリンターによるモノづくりは簡単で、誰でも始められます。また、3Dプリンターの販売価格が安くなってきたため、鉄道模型づくりを楽しむ方が増えてきました。
この記事では、3Dプリンターで鉄道模型を作る方法をご紹介します。この記事を読めば、鉄道模型づくりで必要な物や作成手順まで分かるようになるはずです。ぜひ、鉄道模型づくりに興味がある方は参考にしてみてください。
ページコンテンツ
鉄道模型づくりが楽しめる3Dプリンター
鉄道模型づくりが楽しめる3Dプリンターとは何なのでしょうか?まずは、3Dプリンターの特徴について解説します。
3Dプリンターとは
3Dプリンターとは、3Dデータを基にして立体モデルを出力する装置をいいます。熱で溶かした樹脂を一層一層積み重ねていく「熱溶解積層方式」と液状の樹脂を紫外線で硬化させる「光造形方式」など、さまざまな3Dプリンターが存在します。
鉄道模型作りをしたい場合は、造形精度が高く滑らかな仕上がりになる光造形方式の3Dプリンターがおすすめです。
3Dプリンターで鉄道模型を作るメリット
3Dプリンターで鉄道模型を作るメリットは、主に3つあります。
鉄道模型のパーツを自分で作れる
3Dプリンターを利用すれば、鉄道模型のオリジナルパーツが作れます。
3DCADを使用して鉄道模型を作成する方法と鉄道模型の3Dデータをダウンロードする方法があります。そのため、3DCADが操作できない方でも、鉄道模型作りを楽しむことができるのです。
3Dプリンターを使用すれば、鉄道模型や信号機や柵などの情景パーツ、鉄橋などの構造物のパーツが作れます。世界で1つの鉄道模型が作れることが大きなメリットです。
親子で鉄道模型づくりを楽しめる
3Dプリンターによる鉄道模型作りは親子で楽しめます。
鉄道は形状がシンプルなため、小学生でも3DCADの操作方法を学べば鉄道模型のデザインを作成できます。自分がデザインした鉄道模型を走らせれば、子供は喜んでくれることでしょう。
お子様のために鉄道模型作りをしていても、大人も一緒に楽しめます。
さまざまな場所で、親子で鉄道模型を作る3Dプリンターのワークショップが開催されており多くの方が参加しています。そのため、親子でモノづくりを楽しみたいという方に、3Dプリンターによる鉄道模型作りはおすすめです。
鉄道模型を手頃な価格で揃えられる
鉄道模型の種類で価格は異なりますが、10万円以上する製品もあります。高価な鉄道模型は手が出せないとコレクションを断念する方もいるでしょう。
しかし、3Dプリンターを利用すれば、3Dデータを作成する必要はありますが、低コストで鉄道模型が作れます。好きな鉄道模型を手頃な価格で揃えられることも大きなメリットです。
3Dプリンターで鉄道模型作るデメリット
3Dプリンターで鉄道模型を作るデメリットは、主に3つあります。
3Dデータ制作の難易度が高い
鉄橋などの設計データを製作する場合、模型にレールを取り付けなければいけません。レールがハマるように、レールの幅を正しく設計する必要があります。
鉄橋の模型の幅が狭くて、レールがハマらないというトラブルが起きやすいため注意しなければいけません。
3Dプリンターの出力の外注化が難しい
鉄道模型を作る場合は、テストピースから作り始めます。その理由は、鉄橋などの模型にレールがハマるかを確認する必要があるためです。テストピースの製造も外注で依頼できます。
しかし、何度もテストピースを製造してもらい、本番の鉄道模型を製造する工程を外注化すると多額のコストがかかります。また、鉄道模型が完成するまで時間がかかるでしょう。そのため、鉄道模型づくりの外注化は想像以上に難しいです。
鉄道模型づくりに特化した外注サービスも出てきていますが、3Dデータ作成や修正まで依頼する形になるので割高になります。
3Dプリンターの導入費用が高い
鉄道模型づくりを楽しむために、3Dプリンターを購入する必要があります。この3Dプリンターの導入費用が負担だと思う方もいるかもしれません。
しかし、家庭用の3Dプリンターは価格が安くなってきており、さまざまなモノづくりが楽しめます。日常的に使用するのであれば、コストパフォーマンスが良く感じられるはずです。
FLASHFORGEが販売する家庭用3Dプリンターは、低価格だけでなく2年間の保証がついています。そのため、初めて3Dプリンターを利用する方でも安心して利用できます。
3Dプリンターで鉄道模型を作るために必要な物
3Dプリンターで鉄道模型を作るためには事前準備が欠かせません。ここでは、3Dプリンターで鉄道模型を作るために必要な物をご紹介します。
3DCAD
3DCADは、鉄道模型の3Dデータを作成するために必要となります。
3DCADでおすすめのソフトが「Fusion360」です。Fusion360には、以下のような機能があります。
<Fusion360の主な機能>
- モデリング:3Dデータを作成する機能
- レンダリング:3Dデータに基づいてラスターイメージを作成する機能
- 解析:物体の構造を解析して安全性を確認する機能
- アセンブリ:モデリングした部品をデータ上で組み立てる機能
Fusion360の1年間のライセンス費用は56,000円(税別)と高額ですが、非商用目的であれば無料で利用できます。そのため、高機能の3DCADソフトを無料で使用したい方におすすめです。
PC
PCは、3DCADが起動できる高スペックなものを用意する必要があります。3DCADが推奨するPCのスペックは定期的に変わるため、公式ホームページを確認しましょう。
例えば、Fusion360が推奨するPCスペックは「コチラ」で確認できます。
3Dプリンター
3Dプリンターは、3Dデータを基に鉄道模型を出力していくために必要です。3Dプリンターには「熱溶解積層法」や「光造形方式」などのさまざまな方式があります。
鉄道模型を作る場合は光造形方式の3Dプリンターを購入してください。その理由は、光造形方式は造形精度が高くて滑らかな仕上がりになるためです。
素材
鉄道模型を出力するための材料を用意します。鉄道模型の材料として良く使われている素材はABSです。ABSは塗装の発色が良くて鉄道模型の素材として最適です。ABSの素材をお求めの場合は以下から購入できます。
工具
鉄道模型を作る場合は、造形物にサポート材を付けることがあります。
サポート材は、造形後に取り除いていかなければいけません。
鉄道模型は緻密な構造をしているため、サポート材を取り除くための工具を用意しておきましょう。以下のような工具があると、サポート材がキレイに取り除けます。
<工具>
- 精密ニッパー
- 精密ラジオペンチ
- 精密マイナスドライバー
- カッターナイフ
- ピンセット
備品
鉄道模型を出力したら、各パーツを接着させたり塗装したりしていきます。そのため、以下のような備品も用意しておきましょう。
<備品>
- 瞬間接着剤
- 塗料
- ハケ
3Dプリンターで鉄道模型を作る方法
3Dプリンターで鉄道模型を作る方法は、以下の通りです。
1. 3DCADで鉄道模型をモデリングする
2. スライサーソフトで3Dプリンター用データに変換する
3. 鉄道模型に付いているサポート材を取り除く
4. 鉄道模型を組み立てる
5. 鉄道模型の塗装をする
ここでは、各工程について具体的に解説していきます。
3DCADで鉄道模型をモデリングする
まずは、鉄道模型の3Dデータを作成します。3Dデータは2つの方法で作成できます。
- 3DCADを使用して鉄道模型の3Dデータを作成する
- 鉄道模型の3Dデータをダウンロードサイトから入手する
3DCADの操作方法が分からない場合や、鉄道模型のデザインが思い浮かばない場合は、ダウンロードサイトから鉄道模型の3Dデータをダウンロードしましょう。この方法であれば、鉄道模型作りの初心者でもモノづくりが楽しめます。
スライサーソフトで3Dプリンター用データに変換する
鉄道模型の3Dデータを作成し終えたら、スライサーソフトを使用して3Dプリンター用データに変換します。
3Dデータの代表的なファイル形式の1つがSTLです。
しかし、STL形式のデータは3Dプリンターが認識できません。そのため、STL形式のデータをスライサーソフトを使用して、3Dプリンター用データに変換する必要があるのです。
3Dプリンターにスライサーソフトが付属されている場合も多いですが、FLASHFORGE製の3Dプリンターを使用する場合は「FlashPrint 5」を使用すれば、3Dプリンター用データに変換できます。
3Dプリンターで鉄道模型を造形する
鉄道模型の3Dプリンター用データを取得したら、光造形方式の3Dプリンターに読み込ませて出力していきます。
どのような方向で出力するかで、サポート材の付き方が変わります。サポート材を取り除く作業が増える分だけ、鉄道模型の精度が落ちる恐れがあるため、どのような方向で出力すべきかを考えましょう。
サポート材について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みになってください。
「3Dプリンターのサポート材とは?種類から付け方のポイントまで解説!」
鉄道模型に付いているサポート材を取り除く
鉄道模型に付いたサポート材はキレイに取り除いてください。サポート材をキレイに取り除くためには、水で溶ける水溶性サポート材を使用するとキレイに仕上がります。
水溶性サポート材を使用しない場合は工具を使用して、不要なサポート材を取り除いてください。
鉄道模型を組み立てて塗装する
鉄道模型が出力できたら、ヤスリを使用して研磨していきます。その後に鉄道模型の各パーツを瞬間接着剤で取り付けていきます。その後に塗装で色を付けていきましょう。
鉄道模型の塗料はプラモデル専用のショップなどで販売されています。
鉄道模型を作る場合におすすめの3Dプリンター「Foto8.9s」
鉄道模型を作る場合におすすめの3Dプリンターが「Foto8.9s」です。
リニアガイド+スクリューモーター+クリアランスナットの組み合わせを使用しており、スムーズなZ軸操作ができるため、安定した出力が魅力となっています。
また、最新技術の自社開発の工学システムにより、UVランプの照射のムラを抑えられます。そのため、鉄道模型の品質にこだわりたい方も満足できる製品です。
モノクロLCDパネルを使用することで、プリント速度を速めています。
造形精度やプリント速度に満足できるだけでなく、価格も96,800円(税込)とお買い求めしやすくなっていることも人気の秘密です。家庭用3Dプリンターとして人気を集めています。
3Dプリンターで鉄道模型を作る場合によくある質問
最後に3Dプリンターで鉄道模型を作る場合によくある質問をご紹介します。
Q.鉄道模型1個あたりの製作時間はどれぐらいですか?
鉄道模型1個あたりの製作時間は、どのようなものを作るかで変わります。3Dプリンターで鉄道模型を出力する場合は1個に付き10時間程度かかることもあるため気をつけてください。
3Dプリンターで鉄道模型を出力する際は想像以上に時間がかかるため、3Dプリンターを購入前にメーカーや販売代理店に相談をしてみることをおすすめします。
FLASHFORGEでも、3Dプリンターの購入前の相談を受け付けているので、お気軽にお問い合わせください。
Q.鉄道模型のデータをダウンロードできるサイトはありますか?
鉄道模型のデータをダウンロードできるサイトには、以下のようなものがあります。各サイトでダウンロードできるデータは異なるため、チェックしてみてください。
- Thingiverse:3Dデータに特化した完全無料のダウンロードサイト
- Youmagine:3Dデータの検索しやすい完全無料のダウンロードサイト
- Artist-3d:ハイクオリティな3Dデータが掲載されているダウンロードサイト
他にもダウンロードサイトがあるため、詳しく知りたい方は下記の記事をお読みください。
<<3Dプリンターの設計図がダウンロードできる!おすすめサービス7選
Q.3Dプリンターによる鉄道模型づくりを体験できませんか?
3Dプリンターによる鉄道模型づくりはワークショップで体験できます。ワークショップで鉄道模型づくりを体験すれば、構造の寸法を間違えてしまうなどのトラブルを防止できます。
親子で楽しめるワークショップなども開催されていますので、ぜひ体験してみてください。
まとめ
今回は3Dプリンターで鉄道模型を作る方法をご紹介しました。自分で鉄道模型を作れば、オリジナルの鉄道模型を安価な価格で作れるようになります。また、親子でモノづくりが楽しめることも魅力です。家庭用3Dプリンターは価格が安くなってきており、お買い求めやすくなってきました。
ぜひ、鉄道模型づくりに興味がある方は、これを機会にモノづくりを楽しんでみてください。