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導入事例
- 公開日:2022.12.14
- 更新日:2023.2.9
ロケットZERO開発に3Dプリンター「Creator4S」を活用!|インターステラテクノロジズ株式会社
この記事では、Creator4Sを実際に利用されているインターステラテクノロジズ株式会社様のインタビュー内容をお伝えいたします。
インターステラテクノロジズ株式会社(IST)は実業家の堀江貴文さんが創設された宇宙ベンチャー企業です。今回はISTが今取り組まれている人工衛星を宇宙に運ぶロケット「ZERO」の開発に、3Dプリンター「Creator4S」をどのように活用しているのかお聞きいたしました。
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人・モノを運ぶ宇宙輸送サービスとは?
-事業内容を教えていただけますでしょうか?
弊社は宇宙に人やモノを運ぶための輸送手段であるロケットの開発・製造をしています。ロケットというと、人を乗せる有人飛行のイメージを持つ方が多いかもしれませんが、今需要が伸びているのは、人工衛星、特に小さいサイズの衛星を宇宙に輸送するサービスです。
ニーズはどんどん増えているのですが、人工衛星を運ぶためのロケットは世界的に足りていません。そこで、インターステラテクノロジズは低価格で高頻度に打ち上げられるロケットを開発することで、宇宙をより多くの人に使ってもらえる世界をつくることを目指しています。
-人工衛星というのは地上から宇宙に飛ばすのでしょうか?
そうですね。例えば、気象衛星、衛星電話、GPSだとかそういうものに人工衛星は使われていますが、その使い道はどんどん増えていますね。それに伴って、人工衛星を宇宙に飛ばして、サービスをしたい業者さんも増えています。
-宇宙に人工衛星を飛ばすことで、通信環境も良くなったりするんですか?
そうですね。あと、宇宙から地球を観測することができるので、農業や漁業、インフラ管理など色んな産業の自動化や効率化にも役立てられます。たくさんの可能性があるのですが、宇宙に人工衛星を飛ばさないとサービスできません。そのため、弊社は宇宙への輸送業となることで、その課題を解決することを目指してをいます。
-宇宙にロケットを飛ばす民間の会社って中々ないですよね?
日本だと、弊社ともう1社しか民間の会社はないんですが、世界で見ると、ロケット会社は数十社あり、どんどん増えています。私たちもその中で選ばれるロケットを作っていきたいと思っています。
高さ500mm程度の造形物が作れて、デュアルノズルの3Dプリンターを探していた
-それでは、ここからCreator4S導入についてお話をお伺いいたします。まず、Creator4S導入前に、課題に感じていたことを教えてください。
弊社は元々、シングルノズルタイプで家庭用サイズの3Dプリンターを導入していました。ですが、作業していく中で、大きいモデルの印刷が出来なかったり、サポート材が複雑に入ってしまって取れないといった課題がありました。
-Creator4Sを知ったきっかけを教えてください。
東京の展示会に行ったのがきっかけですね。色んな3Dプリンター会社さんの展示ブースに寄ったのですが、FLASHFORGEさんの展示ブースにも寄らせて頂いて、そこでCreator4Sを初めて見て、パンフレットを頂きました。
-Creator4S購入の決め手を教えてください。
まず、新しい3Dプリンターを探す条件として、縦幅の造形サイズが500mm程度のモデルでも印刷可能な3Dプリンターを探していました。また、サポート材が取れないということがあったので、水溶性フィラメントを使いたい。そのため、デュアルノズルが使える3Dプリンターを探していました。
この2つの条件に当てはまる様々な3Dプリンターを見ていたのですが、一番の決め手は価格です。同じ条件の中だと、値段がずば抜けてCreator4Sが安かったので、価格面が一番大きいですね。
Creator4Sを使って複雑な大型モデルの印刷が可能に
-Creator4S導入後の変化を教えてください。
大きいモデルが印刷が出来るようになったことも大きいのですが、それよりも水溶性フィラメントが使えるようになったことが大きいですね。弊社では、タービン形状のような中身が複雑な形状を印刷することが多いので、印刷しても、どうしても目に見えないところにサポート材が入ってしまう。
その場合、水溶性フィラメントであれば水につけておくだけで、全部なくなってくれるので、それが一番大きく変わったところですね。
-タービン形状の大きさというのはどのくらいなんですか?
大きくても150φ(直径150mm)のサイズ感、小さいモノだと50〜60mmくらいの直径サイズになりますね。タービン自体が薄い形状なので、工夫しながら印刷しています。
-細かいディテールのモデルは作れましたか?
そうですね。最初は小さくて複雑な形状を作っていたので、上手く設定ができませんでした。ですが、何回も試行錯誤するうちに、設定も上手くいくようになり、最近は割とディテールの細かいモデルも綺麗に出来ていると思います。
-Creator4Sはどのようにロケット開発に活用されているのでしょうか?
弊社はロケットの組立や製造などを一環して行っている会社ではあるのですが、その中で、「どういう手法でロケットを組み立てるのか?」というようなシュミレーションを行っています。
例えば、Creator4Sで同じ部品を原寸サイズで印刷して、そのモデルを使って様々なシュミレーションに活用しています。後は、作業に活用する治具を製造するためにCreator4Sを利用しています。
-そのまま治具として使用しているのでしょうか?
試作用の治具として作っている場合もあるのですが、そのまま治具としても活用しています。例えば、工具掛け用の治具として使ったりとか、身近で使えそうな治具を作る際にCreator4Sを用いたりしています。
-Creator4Sの機能面はどうでしたか?
今までにない大型サイズの3Dプリンターだったので、管理が大変だと思っていたのですが、実際に使ってみると、メンテナンス作業も簡単に行えて、使いやすかったです。
後、スライスソフトも使いやすかったです。今回FLASHFORGEさんの3Dプリンターを使うのが初めてで、スライスソフト(FlashPrint)を使うのも初めてだったんですけど、結構細かいところまで設定できたので良かったです。
-Creator4Sを使っていて、スムーズに制作されているのでしょうか?
そうですね。現在は複雑な形状モデルはCreator4Sで製作して、シンプルな形状モデルは元々あった家庭用3Dプリンターで作ったりして、両方使い分けているという感じですね。
ZEROロケットZEROの早期打ち上げを目指しています
-今後Creator4Sを通してどういったモノを作っていきたいですか?
まずは試作品の印刷や作業に使える治具を引き続き製作していく予定です。後は、Creator4Sでロケット部品や実際に使える部品を印刷出来れば良いなと思いますね。大きいモノは作れるので、実際に使えるモノも作れるかなと考えています。
-今後どのような事業に取り組まれる予定でしょうか?
私たちはが今作っているプロダクトとしては、人工衛星の中でも超小型サイズの人工衛星をターゲットにした乗せて、宇宙に運ぶタイプのロケットZEROを作っています。
ロケットの名前は「ZERO」と言って、今はZEROロケットを製作しています。
その製作の中でもCreator4Sを利用させて頂いていて、エンジンパーツのシュミレーションなどに活用させていただいているのですが、今後はZEROの開発を進めて、早期打ち上げを目指していきます。(終)
-Creator4Sをロケット開発に活用して頂いていること、大変光栄に思います。ZEROロケットの打ち上げが上手くいき、宇宙輸送サービスが現実化することを期待しています。今回はインタビューに応えていただきありがとうございました。
インターステラテクノロジズ株式会社
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