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3Dプリンター
- 公開日:2022.4.4
- 更新日:2023.9.14
業務用3Dプリンター選びのポイントとおすすめ製品7選
3Dプリンターは個人の趣味としてではなく、ビジネスとして活用する企業が増えています。その際に、どういった3Dプリンターを利用されているでしょうか?
例えば、作成したCADデータがどのような現物になるのかといったお試し程度の試作製作であれば、家庭用3Dプリンターでも作成できるでしょう。ですが、量産前での試作となると、実寸大のモデルが必要となるため、試作製作は難しいものです。
そこで、今回は試作や治具製作などビジネスとして活用できる業務用3Dプリンターを選定する際のポイントとおすすめ機種7選をご紹介いたします。
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業務用3Dプリンター選びで大切な3つのポイント
FLASHFORGEでは3Dプリンターを販売し始めてから10年間、当社で取り扱っている業務用3Dプリンターをショールームや展示会で展示し、たくさんのお客様とお話させて頂きました。そのうえで、どういった順序を経れば、適した機材を選定できるのか、大切なポイントを3つにまとめましたので解説します。また、実際に業務用3Dプリンターを利用されているお客様の事例もご紹介します。
1.どういった用途で使用するのかを決める
まず初めに、業務用3Dプリンターをどういう用途で使用するのか決めてください。主な用途としては、大きく分けて以下の3つが考えられます。
- 試作モデルの作成
- 治具・工具の作成
- 最終製品の作成(製品化)
試作モデルの作成では、どういう目的で利用するのかによって大きく変わってきます。3D CADソフトで作成した3Dモデルがどのような現物になるのかといった簡易的なシュミレーションなのか、それとも、量産段階に入る一歩手前のシュミレーションなのか、それによって、作成するモデル(現物)も変わってきます。例えば、量産前の試作の場合はより忠実に再現するために、商品と同じサイズのモデルを造形することが求められます。
治具の場合も、試作、製造、どちらの段階で用いるのかによって、治具の精度や材料が変わってきます。
最終製品の場合だと、生産規模はどのくらいなのか?例えば、10個、20個単位でモデルを生産するのか、100個200個単位でモデルを生産するのかによって、それに適した3Dプリンターが変わってきます。そのため、まずは使用する用途を決めましょう。
1が決まれば、その用途に適したスペックなのかを確認するのですが、実際に業務用3Dプリンターを利用されているお客様の事例と共に詳しくご紹介します。
2.その用途に適したスペックなのか確認する
1で挙げた用途に製品が適しているのか、下記の5点を確認してください。
- 造形方式
- 造形サイズ
- 複雑な形状の印刷が可能かどうか
- 材料
- 庫内温度・湿度管理が可能かどうか
初めに、用途に適した造形方式を選定します。例えば、モノづくりの現場でよく利用されている熱溶解積層(FDM/FFF)方式の3Dプリンターだと、ABSやPLAなど取り扱いやすく安全である一方で、表面の仕上がりが他の方式と比べると粗いといった特徴があります。各造形方式の特徴については、下記の記事で解説していますので、ご参照ください。
<<【参考記事】3Dプリンターとは?活用事例を交えて仕組みや使用方法について簡単に解説
造形方式が決まれば、造形サイズを確認します。
業務用3Dプリンターの導入を検討されている方は、家庭用3Dプリンターでは作れない大型サイズの現物を造形したい方がほとんどだと思います。そのため、ご希望の3Dプリンターで作成したいモデルが造形できるのか、製品スペック欄の造形サイズ(ボリューム)で確認しましょう。
次に、複雑な形状の印刷が可能かどうかです。
家庭用3Dプリンターはシングルのエクストルーダーが搭載されている機器が多く、その場合、1つの樹脂しか使えません。一方で、デュアルエクストルーダー搭載の3Dプリンターは2つの樹脂が使用できます。例えば、モデル部分はPLA樹脂で、サポート部分は水に溶けるPVA樹脂を用いることも可能です。
それゆえ、複雑な形状の印刷を希望される場合はデュアルエクストルーダー搭載の3Dプリンターをおすすめします。ここで、下記の画像をご覧ください。
こちらは北海道大樹町でロケット開発事業に取り組まれているインターステラテクノロジズ株式会社(以下、IST)が当社のFFF方式3Dプリンター「Creator4S」で作成された試作モデル(ターボポンプ)です。ISTさんは3Dプリンターで原寸大のモデルを印刷し、そのモデルを様々な試作に活用したいとのことで、Creator4Sを導入されました。
インタビューの際に、「水溶性フィラメントであれば水につけておくだけで、全部なくなってくれるので印刷しやすかったです。」と仰っていました。導入の経緯や使用用途の詳細については、直接お話を伺い、その内容を下記の記事で掲載していますので、是非ご覧ください。
<<【参考記事】ロケットZERO開発に3Dプリンター「Creator4S」を活用!|インターステラテクノロジズ株式会社
最後に材料、庫内温度・湿度管理についてお伝えいたします。
同じ方式の3Dプリンターであっても、それぞれの機種の特徴は異なるため、印刷できる材料とできない材料は異なります。したがって、製品のスペック表に掲載されている対応フィラメント(材料)は必ず確認するようにしましょう。
庫内温度・湿度管理についてですが、家庭用3Dプリンターの大部分は、ヒートチャンバー機能が搭載されていません。もし設置環境が悪ければ、素材の劣化を引き起こしてしまいます。具体例を挙げて詳しく説明します。まず、こちらの画像をご覧ください。
こちらの画像はダンゴムシの行動特性装置で、京都産業大学の永谷准教授がダンゴムシの行動を研究するための装置です。この装置のいくつかの部品は3Dプリンター「Creator4S」で作成したものです。永谷准教授は研究目的でこれまで3Dプリンターを使用していたのですが、ヒートチャンバー機能が搭載されていない3Dプリンターを使用していたため、素材の劣化が起こり、研究に活用できませんでした。
そういった課題を解決するために、ヒートチャンバー搭載の3Dプリンター「Creator4S」を導入され、現在は装置のほとんどの部品をCreator4Sで作成しているそうです。以前使用していた3Dプリンターと比較して、何ができるようになったのか、永谷さんにインタビューした内容は下記の記事で紹介していますので、是非ご覧ください。
<<【参考記事】ダンゴムシ研究に3Dプリンター「Creator4S」を活用|京都産業大学
以上より、業務用3Dプリンターを活用される方は仕事として活用される方がほとんどのため、造形物の品質を求める方が多いかと思います。それゆえ、品質や精度を求めた3Dプリンターを使用したい場合は、ヒートチャンバー機能が搭載されているのか確認することをオススメします。
用途が決まり、その用途に適した3Dプリンターの候補を挙げていけば、次は比較検討です。
3.比較検討する
比較検討でまず行ってもらいたいのは、値段を調べることです。
業務用3Dプリンターはほとんどの機種が値段公表されていません。したがって、メーカーに希望機種の値段を問い合わせてみましょう。そして、使用用途・スペック・値段がわかれば、候補を挙げた機材を比較してください。いくつかの機種に絞ったら、ショールーム見学や展示会に行き、直接見に行ってみましょう。
2で挙げた要件以外にも、造形速度や造形精度などでわからないことや疑問点があれば、直接メーカー担当者に聞いてみてください。そうすることで、値段・使用用途に合った業務用3Dプリンターを選定しやすくなるでしょう。FLASHFORGEでも大阪・東京の2拠点でショールームを開催し、その他にも展示会にも出展していますので、こちらも是非ご活用下さい。
おすすめ業務用3Dプリンター7選
ここでは、業務用3Dプリンターの中から、FLASHFORGE製の4製品についてご紹介いたします。これらの製品はすでにお客様に使用していただいており、その中から提供いただいた画像も共有いたします。
また、新たに取り扱いを始めたMarkforged製の3Dプリンター3製品についても同時にご紹介します。
1.Creator4S
本製品は、デュアルエクストルーダー・ヒートチャンバー機能を搭載し、大型サイズ(400×350×500mm)が可能な業務用3Dプリンターです。そのため、水溶性サポート材を用いた印刷が行えるため、複雑な大型サイズの形状印刷が可能です。庫内温度・湿度管理もしてくれるため、室温や湿度が高い環境でも問題なく使用できます。
こちらは先ほど事例として掲載したISTさんからご提供頂いた画像で、作業に活用する治具製品です。その他にも、ロケット開発を行う際のエンジンパーツのシュミレーションなどにも活用して頂いています。インタビューでは「縦幅500mmサイズのモデル印刷が可能で、デュアルエクストルーダー搭載、この条件に当てはまる様々な3Dプリンターを見てきましたが、Creator4Sがずば抜けて安かったです。」とも仰って頂きました。
上記の機能が搭載され、販売価格が100万円台というのは他にはなく、コスト面でも優れた3Dプリンターです。大型サイズで複雑な形状モデルの造形を検討されている方は是非ご利用ください。
<Creator4Sのスペック>
最大造形サイズ | 400mm x 350mm x 500mm |
積層ピッチ | 0.05mm – 0.4mm |
造形精度 | ±0.2mm |
最大プラットフォーム温度 | 130℃ |
最大チャンバー温度 | 65℃ |
ノズル径 | 0.4mm(0.6mm/0.8mm) |
対応フィラメント | PLA、ABS、PETG、PC、PA、ASA、PBAT、TPC、TPE、PVA、HIPS、PA-CF、PETG-CF、PLA-CF、TPU |
フィラメントスプール容量 | 1kg+2kg |
保証 | 1年 |
本体価格(税込) | お見積り |
2.Creator3 Pro
Creator3 Proは性能レベルで言うと、家庭用と業務用の中間に位置する製品です。デュアルエクストルーダー搭載で、複数ノズルに対応しており、炭素繊維フィラメントの印刷が行えます。
下記画像はCreator3 Proを利用して頂いている帝京大学の学生フォーミュラチーム「帝京フォーミュラプロジェクト」さんから提供頂いたインジェクターマウントの画像です。※インジェクターマウント‥インジェクター(エンジン内部へ燃料を送る部品)を固定するための部品
帝京フォーミュラプロジェクトさんは、学生フォーミュラ大会に向けてマシンを一から作成されており、そのマシン部品の一部をCreator3 Proで製作されています。
以前は家庭用3Dプリンターを使用されていたそうなのですが、1/2サイズのモデルしか作れなかったそうです。しかし、Creator3 Proを導入して、原寸サイズの部品の出力が可能になり、マシン部品の一部を3Dプリントで代替に成功しました。詳しくは下記の参考記事を参照ください。
<<【参考記事】3Dプリンターで製作したステアリング搭載の学生フォーミュラカーが見事完走|帝京フォーミュラプロジェクト
本製品の値段は33万円(税込)。デュアルエクストルーダー搭載で、炭素繊維フィラメントの印刷が可能、この2つの条件を満たす3Dプリンターの中ではコストを抑えた製品なので、是非ご利用ください。
<Creator3 Proのスペック>
プリント最大サイズ | 300mm x 250mm x 200mm |
積層ピッチ | 0.05~0.3mm |
ヘッド数 | 2(独立式デュアルヘッド) |
造形精度 | ±0.2mm |
XY軸移動速度 | 10-150mm/s |
ノズル | 0.4mm(0.6/0.8mm)/ 320℃ |
プラットフォーム加熱温度 | 120℃ |
対応フィラメント | PLA / ABS / PA / PC / PVA / HIPS / PETG / PETG-CF / PA-CF / TPU(0.8mmノズル使用時) |
保証 | 1年 |
本体価格 | 330,000 円(税込) |
3.Guider3 Plus
本製品はプリントヘッド駆動に「Core-XY」構造を採用し、最高250mm/sの高速印刷を実現。X軸とY軸に工業用のリニアガイドレール、Z軸にはリニアシャフトとボールねじを両側に搭載。したがって、造形速度を上げても安定した出力ができます。造形サイズは350×350×600mmと、高さのある造形モデルも印刷可能です。最大320℃まで加熱できるノズルを搭載したことで、エンプラ素材の印刷も行えます。
<Guider3 Plusのスペック>
最大造形サイズ | 350mm×350mm×600mm |
積層ピッチ | 0.05-0.4mm |
位置決め精度 | X/Y軸:0.011mm Z軸:0.0025mm |
造形精度 | ±0.15mm |
XY軸移動速度 | 10-250mm/s |
ノズル径 | 0.4mm(0.6mm/0.8mm) |
最大ノズル温度 | 320℃ |
対応フィラメント | PLA/PETG/ASA/ABS/PC/PA/PLA-CF/PETG-CF/PA-CF など |
保証 | 1年 |
本体価格 | お見積り |
4.Guider3
Guider3もCore-XY構造を採用した製品で、最高250mm/sの造形速度です。コンパクトな筐体でありながら造形サイズは300×250×340mmを確保。プラットフォームはガラスプラットフォームとフレキシブル鋼板プラットフォーム、この2種類のプラットフォームが付属されているため様々な印刷ニーズに対応しています。
本製品の値段は49,5000円(税込)で、コスパに優れた製品です。小ロット生産で効率よくモデルを出力したい方にはおすすめです。
<Guider3のスペック>
最大造形サイズ | 300x250x340mm |
積層ピッチ | 0.05~0.4mm |
位置決め精度 | X/Y軸:0.011mm Z軸:0.0025mm |
造形精度 | ±0.15mm(造形サイズが100mm未満)±0.002mm/mm(造形サイズが100mm以上の1mmあたりの誤差は±0.002mm)例:造形サイズが110mmの場合±0.22mm |
XY軸移動速度 | 10~250mm/s |
ノズル径 | 0.4 (0.6/0.8)mm |
最大ノズル温度 | 320℃ |
対応フィラメント | ABS/PLA/PC/PA/ASA/PETG/PA-CF/PLA-CF/PETG-CF |
保証 | 1年 |
本体価格 | 495,000円(税込) |
5.Mark Two
ここからはMarkforged製の業務用3Dプリンターについてご紹介します。
Mark Twoは、手軽に試作品や治具の作成が可能ながらも、コンパクトなサイズが魅力のカーボンファイバー対応デスクトップ型3Dプリンターです。
本体サイズが584x330x355mmとコンパクトなため、設置スペースを取りません。
本製品はMarkforged独自の技術「CFR(Continuous Fiber Reinforcement)」を搭載しています。CFRは、カーボンファイバーを「Onyx」などのプラスチック素材に組み込む技術のことを指します。これにより、強度・剛性・耐久性に優れたモデルを造形できます。
Mark Twoで使える、代表的なフィラメントは以下の通りです。
・Onyx
マイクロカーボン繊維を含むナイロンベースの素材。強度・堅牢さ・耐熱性を兼ね備えており、耐久性が重視される様々なプロジェクトに最適です。
・カーボンファイバー
重量に対する強度と熱伝導率が非常に高い素材。Onyx素材のみの造形物に比べて、6倍の強度と18倍の硬度を有しています。航空機や自動車などの高性能製品に幅広く使用されています。
・HSHTファイバーグラス
HSHT(High Strength High Temperature)ファイバーグラスは、高い強度と耐熱性を有した素材。特に高温環境でも性能を維持できるのが特徴で、エンジニアリングや産業用途などの厳しい環境下でも活躍します。
Tiny Pilot社のMark Two導入事例
サーバーのリモート管理ソリューションを提供する企業「Tiny Pilot」では、Mark Twoの導入により、カーボンファイバーを含むプラスチック素材「Onyx」を使用して、USBポートを作成しています。
このように、Mark Twoは複雑な形状の製品を高強度で造形できるため、丈夫なパーツを作りたい方や、エンドユースパーツを作りたい方におすすめです。
また、コンパクトな筐体なので、小規模のオフィスや研究室など、スペースの限られた場所に高性能の3Dプリンターを設置したい場合にも適しています。
<Mark Twoのスペック>
最大造形サイズ | 320x132x154mm |
積層ピッチ | 100~200μm |
造形方式 | FFF+CFF |
対応素材 | Onyx、Nylon white、Smooth TPU95A、Precise PLA、カーボンファイバー、ファイバーグラス、Aramid Fiber (Kevlar) ケブラー、HSHT ファイバーグラス※一部抜粋 |
ノズル数 | 2 |
本体サイズ | 584x330x355mm |
重量 | 16kg |
6.X7
X7は、アルミニウムと同等の強度を実現する業務用3Dプリンターです。
本製品は、精密機械加工されたハードウェアや本体ヘッドに組み込まれたレーザー計測器により、精密なパーツを造形できます。
さらに、X7はUL94規格のV-0レート認証を取得した難燃性素材「Onyx FR」に対応しています。これにより、航空宇宙産業、自動車産業、防衛産業など、高い難燃性が必要な部品の造形が可能です。
アメリカ空軍 キャノン空軍基地のX7導入事例
アメリカ空軍 キャノン空軍基地では、荷物の軽量化とコストの削減のためにX7が導入されています。
現場で使用するツールの多くを、カーボンファイバーを含むナイロン素材「Onyx」で作成することにより、ツールの軽量化を実現しています。
1つあたり数百ドルのコストがかかっていた既製品のNVGマウントも、X7の導入により5ドル未満での製造を実現しています。製造にかかる時間も大幅に短縮し、わずか数時間での作成が可能になりました。
CMS社のX7導入事例
航空機内環境管理およびエンターテイメントシステムの設計・開発を行っているCabin Management Solutions (CMS社)では、製造過程の大部分を自社内で行うために、X7の3Dプリンターを導入しています。
CMS社では、耐火性に優れたナイロン素材である「Onyx FR」を用いることで、連邦航空局(FAA)の厳しい基準をクリアしたパーツを作成。顧客の期待を超える製品の美観も実現しています。
<X7のスペック>
最大造形サイズ | 330x270x200mm |
積層ピッチ | 50~250μm |
造形方式 | FFF+CFF |
対応素材 | Onyx、Nylon white、Smooth TPU95A、Precise PLA、カーボンファイバー、ファイバーグラス、Aramid Fiber (Kevlar) ケブラー、HSHT ファイバーグラス※一部抜粋 |
ノズル数 | 2 |
本体サイズ | 584x483x914mm |
重量 | 48kg |
7.FX20
FX20は、大型パーツの製造に対応し、業界最高水準の精度と信頼性を有した業務用カーボンファイバー3Dプリンターです。
本製品は、最大造形サイズが525x400x400mmと大きく、優れた強度や耐熱性を有する「ULTEM 9085」フィラメントに対応。そのほかに、強度と熱伝導率が高い「カーボンファイバー」や、強度と軽量性を兼ね備えた「Aramid Fiber (Kevlar)ケブラー」などにも対応しています。
これらの特徴から、大型の金型や治具、車両や船舶の部品を作成したい方におすすめです。
また、最大200℃まで加熱が可能なヒートチャンバーを搭載し、3Dモデルを高速かつ高精度で印刷できます。
SQP Engineering社のFX20導入事例
オーストラリアの企業、SQP Engineering社では、高度な機械加工製品を製造するために、FX20を導入しています。
FX20を導入してからは、9時間かかっていた特定部品のプリント時間が2.5時間に短縮され、品質も向上しました。これまで困難だった機械部品の製造にも対応し、顧客のニーズに迅速かつ効率的に応えられるようになりました。
<FX20のスペック>
最大造形サイズ | 525x400x400mm |
積層ピッチ | 50~250μm |
造形方式 | FFF+CFF |
対応素材 | Onyx、Onyx FR、Onyx ESD、Nylon、カーボンファイバー、Carbon Fiber FR、Aramid Fiber (Kevlar) ケブラー、HSHT ファイバーグラス、ファイバーグラス、ULTEM 9085 Filament |
ノズル数 | 3(樹脂×2、ファイバー×1) |
本体サイズ | 1325x900x1925mm |
重量 | 530kg |
業務用3Dプリンターに関するよくある質問
ここでは、業務用3Dプリンターに関するFAQをご紹介いたします。
Q.ヒートチャンバー機能について教えてください。
ヒートチャンバーは庫内温度を一定に保つ機能のことです。この機能により、以下の効果が期待できます。
- 熱収縮による反りやクラックを防ぐ
- 造形物の品質向上
- エンプラ素材の印刷も可能
例えば、真冬に3Dプリンターを使用する際、ヒートチャンバーが搭載されていないと、造形物全体の温度を保つことができずに、反りが生じてしまいます。一方で、この機能が搭載されていると、造形物の温度を保つため、品質の高いモデルが作成可能です。
Q.ビジネス用途での3Dプリンターの使用を考えています。3Dプリンターを選定する際、どこに着目すればいいですか?
ビジネスで利用する場合、以下の3点に着目してください。
- 大型サイズの造形が可能かどうか
- デュアルエクストルーダーが搭載されているかどうか
- ヒートチャンバー機能が搭載されているかどうか
他にも着目する必要がありますが、この3点をクリアしている場合、大型モデルで水溶性サポート材を用いた複雑な形状モデルの印刷が行えます。ぜひご参照ください。
まとめ
今回は業務用3Dプリンターを選定する際に大切な3つのポイントとおすすめ業務用3Dプリンター7機種をご紹介いたしました。
これらの製品は大阪のショールームで全て見学可能です。一方、東京のショールームではFLASHFORGE製品の4機種のみの展示となっております。Markforged製品については、大阪のショールームでご確認いただけます。
どちらのショールームでも、今回ご紹介した3Dプリンターだけでなく、3Dスキャナーの展示・デモも行っています。実際に見たり触ったりして、機器の比較・検討が行えますので、是非ご利用ください。