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3Dプリンター
- 2022.6.3
- 更新日:2022.6.6
3Dプリンターは製造業の救世主!導入するメリットや活用例をご紹介

現代の製造業において、欠かせない存在といえるのが3Dプリンター。
世界における3Dプリンターは「ものづくりの革新」という認識であり、製造業での活用は著しく進められています。しかし、日本国内での3Dプリンターの注目度は低く、近い将来に世界で通用しなくなってしまう可能性もあります。
実際、「3Dプリンターがあれば何ができて、どんな利点があるのか」ということを知っている企業は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、3Dプリンター導入のメリットや活用例をご紹介します。最後までご覧いただくことで、3Dプリンターの理解を深めていただくことができます。
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3Dプリンターの市場は拡大する見込み
3Dプリンター市場は2020年には132億米ドルの規模に達していて、2021年から2016年の間に約20%の年成長率(CAGR)で成長することが予想されています。
現在の最大の市場は、早期に3Dプリンターを導入した北米や欧州です。しかし、中国を筆頭とするアジア太平洋地域では、今後数年の間に3Dプリンターの大きな市場へと変化することが見込まれています。
出荷数量ベースでの世界市場規模推移は、以下のとおりです。
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年(予測) | 2022年(予測) | 2023年(予測) | |
出荷台数 | 270,000 | 315,000 | 365,000 | 364,000 | 366,000 | 369,000 | 370,000 |
前年比 | – | 116.7% | 115.9% | 99.7% | 100.5% | 100.8% | 100.3% |
CAGR | – | 16.7% | 16.3% | 10.5% | 7.9% | 6.4% | 5.4% |

※引用:矢野経済研究所
2020年の3Dプリンター出荷台数は、新型コロナウイルス感染症の影響により前年比99.7%と減少していて、市場の成長スピードは2023年頃まで鈍化することが予測されています。
ただし、今後は現在の3Dプリンターの課題である技術的な課題(以下で後述)を解決できれば、世界市場の成長は加速していくでしょう。
さまざまな分野において世界的に注目されている3Dプリンターですが、製造業においてはどのように活用できるのか、次で詳しくお話していきます。
製造業における3Dプリンターの活用例
自動で精巧な造形を可能にすることができるために、幅広く活用される3Dプリンター。
一般家庭においても趣味で利用する機会も増えていて、製造業においても少しずつ知名度は高くなってきています。
そんな3Dプリンターの活用例は、以下のとおりです。
- 試作の繰り返しができる
- 生産を効率化できる
- 治具製作を内製化する
上から順番に説明していきます。
活用例①:試作の繰り返しができる
3Dプリンターを活用すれば、試作の繰り返しが可能です。
そもそも3Dプリンターは造形データさえ作成すれば、手間をかけずに造形することができます。試しに造形した製品を使ってみて問題があれば、データを微調整して再度造形をすればいいだけなので、何度も試作を繰り返せるのです。
3Dプリンターを複数台所有している場合は、同時に微妙に異なる試作品を造形して試作品同士を比較することもできます。
以上の理由から、試作品の繰り返しが容易になるため、製品の完成度を高めたい場合には3Dプリンターの導入がおすすめです。
活用例②:生産を効率化できる
3Dプリンターを活用することで、生産の効率化も実現できます。
具体的には、製造コストやタイムロスといった問題の解消にもつながります。製造業においてグローバル化が進んだ近年は、多品種小ロット生産が主流になりつつあります。在庫の量が少ないメリットはありますが、生産効率の悪化や開発コストの増加といったデメリットもあるのが現状です。
しかし、3Dプリンターがあれば小ロットの製品を型なしで作ることができるので、製造コストを大幅に削減することができます。3Dプリンターは複雑な形状の造形物にも対応しているので、物によっては組み立てが不要で時間の削減にもつながります。
よって、多品種小ロット生産を求められる場合にも、生産を効率化できる3Dプリンターの導入を検討してみましょう。
活用例③:治具製作を内製化する

3Dプリンターを活用すれば、治具製作の内製化も可能です。
製造現場における治具は目的や用途によって異なり、「ある部品を作るために一度しか使わない」というものも存在します。こうした治具を外注すると時間もコストもかかることから、導入しにくいのが現状です。
しかし、3Dプリンターならデータさえ保管していれば単品での製造も容易なので、大ロットでの製造に向いている外注よりも、3Dプリンターを使った内製の方が製造効率が向上します。あるいは、3Dプリンターでも対応できない複雑な形状の治具は外注する、といった対応も選択できます。
したがって、治具製作を内製化して生産効率を上げたい場合にも、3Dプリンターの導入がおすすめです。
では、製造現場に3Dプリンターを導入するとどんなメリットがあるのか、次で詳しく見ていきましょう。
製造現場に3Dプリンターを導入するメリット
製造現場に3Dプリンターを導入するメリットは、以下のとおりです。
- コストの削減につながる
- 開発期間や製作時間を短縮できる
- 在庫の管理が楽になる
下記から、順番に見ていきましょう。
メリット①:コストの削減につながる
3Dプリンター導入の1つめのメリットは、コストの削減です。
特に開発においては、形状によっては大幅に削減することができます。
たとえば外注試作の場合、開発部の人員が業務を長期間中断することによる人件費、試作を繰り返すことによる外注先への依頼費用などが発生します。しかし、3Dプリンターを導入すれば、業務の中断は最小限におさえられるほか依頼費用もかかりません。
以上の理由から、コスト削減を目指すのであれば3Dプリンターの検討をおすすめします。
メリット②:開発期間や製作時間を短縮できる
開発期間や製作時間の短縮も、3Dプリンター導入のメリットです。
3Dプリンターは、必要なものをその場で作り出すことができるからです。
外注試作は、社内での打合せのあとに取引先との打合せも発生するほか、納品まで長い期間が必要になってしまいます。3Dプリンターを使えば、社内だけの打合せで済むうえに製品の完成までの時間も短いので、開発期間や製作時間の短縮にもつながります。
したがって、スピーディな製作を実現するなら3Dプリンターの導入を検討してみましょう。
メリット③:在庫の管理が楽になる
3Dプリンター導入3つめのメリットは、在庫管理の簡略化です。
従来の製造現場では、各パーツが故障することを念頭に置いて予備のパーツを用意して管理する必要がありました。3Dプリンターがあれば、予備パーツをその場で作り出すことができるため、予備パーツの在庫管理が楽になります。
しかも、パーツに改良を加える際も3Dデータの変更だけなので、改良前のパーツの在庫を持つこともないのです。3Dデータさえあればパーツの保管スペースも不要で、世界各国の生産拠点で3Dデータを共有すれば、国と国との輸送費も削減できます。
そのため、在庫管理を簡略化するのであれば3Dプリンターの活用がおすすめです。
では、3Dプリンターにはどういった課題があるのか、次で詳細をお話しします。
3Dプリンターには技術的な課題もある
3Dプリンターには、技術面での課題があるのも事実です。
- 精度が悪い
- 造形速度が遅い
- サイズが小さい
従来の製造技術と比べると、劣っている部分もあります。
しかし、近年では上記3Dプリンター特有の弱点を解消したものも登場しているのです。

たとえば、造形の精度についてはFLASHFORGEのFFF(熱溶解積層)方式3Dプリンター「Guider2s」という機種であれば、高精度な造形を実現しています。ノズルにレベリングセンサーが搭載されていて、ノズルと造形台の距離を正確に測定できるので、高い再現性があります。

造形速度については、FLASHFORGEのFFF方式3Dプリンター「Creator3 Pro」なら加熱速度の向上により、素早い造形が可能です。サイズについては、FLASHFORGEの光造形方式3Dプリンター「Foto13.3」なら、高さ400mmという平均的な造形物の高さを大きく上回っています。

上記のように、造形したいものにあった3Dプリンターを導入することで、弱点を補うことも可能です。
製造現場で使用されてきた金型や治具との違い
金型や治具は初期費用や時間はかかりますが、完成すれば短時間で高精度に製品をつくることができます。一方の3Dプリンターは造形に要する時間や精度では劣りますが、初期費用や造形するまでの時間はかかりません。
つまり、以下のようなことがいえます。
- 金型や治具:少品種大量生産に向いている
- 3Dプリンター:多品種小ロット生産に向いている
よって、造形するものや目的に合わせて導入を検討することが大切です。
最後に、製造業向け3Dプリンターに関する疑問にお答えしていきます。
製造業向け3Dプリンターに関するQ&A
製造業向け3Dプリンターに関連したよくある質問は、以下のとおりです。
- 製造業で使用する業務用3Dプリンターの価格相場は?
- 技術者がいなくても3Dプリンターを使える?
- 購入後のサポートはある?
上から順番に回答していきます。
業務用の3Dプリンターの価格相場は?
業務用3Dプリンターの価格相場は、数十万円から4,000万円以上です。
数千万円もの値段がついている理由は、産業用の大型3Dプリンターも存在するからです。
ひと括りに産業用3Dプリンターといっても、コンクリートを出力できるような大型で自走するもの、特殊な素材を短時間で造形できるようなものまであります。
FLASHFORGEの業務用3Dプリンターは相場と比べて低価格な製品を取り扱っています。低価格帯の3Dプリンターの導入を検討されている方は、ぜひお問い合せフォームからご相談ください。
技術者がいなくても3Dプリンターを使える?
必須ではありませんが、業務用3Dプリンターは品質やコストといった面からも基礎知識を有した技術者が使うことをおすすめします。
そもそも3Dプリンターは、製造分野だけでなく建築や医療といった幅広い分野で使われています。使いこなすには3Dデータの作成や造形方法、材料、工程といった知識が求められるのです。
「3Dプリンターの活用技術検定」という資格があると、3Dプリンターの使用に必要な基礎知識を習得することが可能な人材の目安になります。
FLASHFORGEでは、業務用3Dプリンターを購入していただいたお客様(法人)を対象に設置講習を行っていますので、ご安心してご利用いただけます。
購入後のサポートはある?
多くの業務用3Dプリンターは、購入後の製品保証が付帯します。
保証の期間内であれば、無償での修理に対応してもらうことが可能です。ただし、通常の使用の範囲でなければ保証されない場合がほとんどなので、取扱説明書に記載されたとおりに使用しましょう。
どの製品も保証期間は概ね1年であり、1年以内であればメーカーからの保証が受けられます。FLASHFORGEの光造形方式の3Dプリンターも1年間の保証がありますので、1年以内であれば機材に不具合があればアフターサポートを行っています。
FLASHFORGEのFFF方式3Dプリンターの保証期間は、最長で2年です。
他社のFFF方式3Dプリンターと比べて2倍の長期保証が付帯しているので、万が一のときも安心してご利用いただけます。
まとめ
今回は、3Dプリンター導入のメリットや活用例をご紹介しました。
以下に、お伝えした内容をまとめました。
- 3Dプリンターの市場は拡大傾向にある
- 3Dプリンターは多品種小ロット生産に向いている
- 製造業においては、試作、生産、治具内製に3Dプリンターを活用できる
- 製造現場に3Dプリンターを導入すると、コスト削減、納期の短縮、在庫管理などにメリットがある
- 3Dプリンターには課題もあるが、解消された機種も存在する
かつては製造業の日本の優位性は高いものでしたが、現在は他国が台頭してきています。時代は多品種小ロット生産になりつつあり、従来の製造方法では対応できない場合もあります。
新しいアイデアをすぐに具現化する意味でも、業務用3Dプリンターの導入をぜひご検討ください。
以下は、FLASHFORGE製品のお問い合わせフォームですので、製品に関する疑問やお見積りなど、お気軽にご利用ください。