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3Dプリンター
- 公開日:2023.3.27
- 更新日:2023.3.29
ファブスペースとは?3Dプリンター導入事例から学ぶスペースの作り方
近年、ファブスペースを併設するコワーキングスペースが増えてきました。また、社内にファブスペースを設ける企業も増えています。さまざまな場所で導入され始めているファブスペースとは何なのでしょうか?
今回はFLASHFORGE製3Dプリンターを導入したファブスペースの作り方をご紹介します。この記事を読めば、ファブスペースにどのような3Dプリンターを設置すべきかまで分かるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
ページコンテンツ
ファブスペースとは
ファブスペースとは、3Dプリンターやレーザープリンターなどデジタル機器が取り揃えられている施設をいいます。各施設によって導入機器は異なりますが、以下のようなものが取り揃えられています。
[ファブスペースの工作機械] 3Dプリンター、3Dスキャナー、レーザー加工機、レーザーカッター、ファイバーレーザーマーカー、UVプリンター、CNCフライス、デジタル刺繍ミシン |
デジタルデータを活用したモノづくりは、子どもの将来に役立つとしてファブスペースに注目が集まってきています。2020年からSTEAM教育が必修化されたことで、工作機械を上手く活用する動きが加速することから、ファブスペースの需要は増えると予想できます。
また、デジタル機器の精度が上がってきたことにより、大学や企業内でもファブスペースを作る動きが出てきました。2019年12月にヤフー株式会社が社員のアイデアを活用するために社内にファブスペースを作ったことで大きな話題を集めました。
3Dプリンターを導入したファブスペース事例
注目を浴びているファブスペースですが、どのような機械が設置されているのでしょうか?どのように運営されているのでしょうか?ここでは、FLASHFORGE製の3Dプリンターを導入した企業様のファブスペースをご紹介します。
Co-Box
Co-Boxは、大阪市中央区にあるモノづくりのためのファブスペース兼コワーキングスペースです。
同施設には、3Dプリンターやレーザーカッターなど多くのデジタル機器を設置しています。3Dプリンターは、高精度な造形ができる家庭用3Dプリンター「Adventurer4」やフィギュア制作に最適な光造形方式3Dプリンター「Foto8.9」を設置しています。機器を利用するときに必要となるフィラメント(材料)も販売されているため、手ぶらで利用できることが大きな魅力です。
また、紙以外にも印刷できるUVプリンターの装置はA3サイズからA2サイズに対応するものに交換するなど、ファブスペース利用者の利便性を考えながら運営されています。
それだけでなく、Co-Boxにはモノづくりに詳しいスタッフがいることも魅力となっています。塗装技術、加工技術、研磨技術、印刷技術など幅広い知識を持っているため、モノづくりで悩みが出たときに相談ができて安心です。スタッフさんが工作機械で作ったフィギュア、Tシャツなどが展示されているため、モノづくりのヒントも得られるでしょう。
同社は大阪市市営地下鉄「天満橋駅」から徒歩1分とアクセスしやすい場所にあるため、多くの人で賑わっており開業10周年を迎えました。
THE DECK
THE DECKは、大阪市中央区にあるファブスペース併設型コワーキングスペースです。
同施設には「Make It Happen(実現困難なことを実現する)」という想いが込められており、企業や行政機関と業務提携してファブスペースを運営しています。
同社は、完全防音のミーティングスペースを設けるなど利用者の利便性を考えながら施設を運営しています。ARやVRなどのガジェットなど、業務提携している企業の最先端の機器が利用できることが大きな魅力です。
ファブスペースには、3Dプリンターやカッティングマシーンなどの工作機械が設置されています。3Dプリンターを利用する場合は30分単位で料金がかかりますが、材料費込みで利用できることが嬉しいポイント。アクセサリーなど高精度な造形物が作れるFoto8.9が利用できます。
またファブスペースには、モノづくりの実務経験を持つスタッフがいるため、アドバイスをもらうことも可能です。このような運営方法で、一般の利用者だけでなく各企業、行政機関の方にも利用されています。
TAKE LABO
出典元:『TAKELABO』
TAKELABOは、大阪府牧方市にあるファブスペース併用型コワーキングスペースです。「モノづくりをする人を応援したい。増やしたい。育成したい。そして地域に貢献したい。」という気持ちでコワーキングスペースの運営を始めました。同施設の魅力は、本格的なデジタル機器が借りられることです。
FLASHFORGE製の3Dプリンターの中でもグレードが高い「Adventurer4」「Creator Pro2」「Guider2」が設置されています。フィラメントも施設内で購入することができます。
1日利用券を1,100円(税込)で買えば、高性能なデジタル機器が利用できるとして多くの人に親しまれている施設となっています。
京都産業大学
京都産業大学は、モノづくりを実践的に学ぶことができる創造的な場として2018年4月に学内にファブスペースを設けました。3Dプリンターやレーザーカッターなど、デジタル機器を学生が使えるような形にしており、授業や研究、サークル活動など利用されています。
こちらのファブスペースには、Adventurer3を5台とAdventurer4を2台の他、他社の光造形3Dプリンター2台を含む10台以上の3Dプリンターを導入されています。
同社の情報理工学部の教授は従来より研究で3Dプリンターを活用しており、そのときと比べて価格が安くなり、性能が上がったと感動していました。
京都産業大学のファブスペースについて詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:ダンゴムシ研究に3Dプリンター「Creator4S」を活用|京都産業大学
ファブスペースにおすすめの3Dプリンター3選
コワーキングスペースや企業、教育機関でファブスペースを設置する動きが出てきましたが、どのようなデジタル機器を導入すべきなのでしょうか?ここでは、ファブスペースにおすすめの3Dプリンターをご紹介します。
初心者でも扱いやすい家庭用3Dプリンター「Adventurer3」
Adventurer3はモノづくり初心者でも扱いやすい家庭用3Dプリンターです。FLASHFROGE社がリリースした3Dプリンターの中でも150×150×150mmとコンパクトな機器です。そのため設置場所に困りません。本体重量も9kgと軽量のため、作業スペースに運ぶこともできます。
この機器の本体タッチパネルは日本語のため、どこを操作すれば良いかが分かります。また、造形中にフィラメント切れが起きても、継ぎ足しをすれば途中から造形が可能です。そのため、フィラメント切れなどの問題が起きても安心できます。
また、ノズルの目詰まりなどのトラブルが起きたときのエクストルーダーメンテナンスもワンプッシュで取り外し掃除をするだけで済みます。以上より、そのコンパクトさと使いやすさから、ファブスペースで初心者が3Dプリントに挑戦するのに最適な機器です。
項目 | 詳細 |
造形サイズ | 150 x 150 x 150mm |
造形方式 | FFF(熱溶解積層法) |
ノズル | 0.4mm – 240℃ノズル |
対応フィラメント | ABS、PLAなど |
積層ピッチ | 0.05~0.4mm |
販売価格 | 49,500円(税込) |
保証 | 1年 |
高精度な造形ができる家庭用3Dプリンター「Adventurer4」
Adventurer4は、Adventurerの上位モデルとなる家庭用3Dプリンターです。造形サイズが220×200×250mmのため大きなものを作れます。またメッシュキャリブレーションでベットの歪みを補正できたり、移動動作の精度が高くなったりしたので高精度な造形物が作れます。
機器の中にはエアフィルター装置が搭載されており、造形する際の塵を取り除いてくれるため、小さなゴミが造形物に付着する心配もありません。
オプションにはなりますが、造形したいモノに応じたノズルを取り付ければ、さらに造形精度を上げられます。
高精度な造形物が作れることや、オプションでさらに造形精度を上げられる点から、ファブスペースで本格的なモノづくりを楽しみたい方にぴったりの機器です。
項目 | 詳細 |
造形サイズ | 220 x 200 x 250mm |
造形方式 | FFF(熱溶解積層法) |
造形精度 | ±0.1mm |
ノズル | 0.4mm – 240℃ノズル |
対応フィラメント | ABS、PLA、PC、PETG、PETG-CF |
積層ピッチ | 0.05~0.4mm |
販売価格 | 98,450円(税込) |
保証 | 1年 |
フィギュア制作に最適!光造形方式3Dプリンター「Foto8.9s」
Foto8.9sは、高解像度な造形物を高速で出力できる光造形方式の3Dプリンターです。光造形方式とは、UVレジンに紫外線を照射して1層ずつ硬化して、高精細な造形物を作る方法をいいます。そのため、積層痕が目立たず滑らかな表面に仕上げられます。
FFF方式では再現しにくい細かな造形ができるため、フィギュアやアクセサリー作りに向いています。高解像度な造形物を高速で出力できる特性から、ファブスペースで細かなデザインのフィギュアやアクセサリー作りに適した機器です。
項目 | 詳細 |
造形サイズ(最大) | 192 x120 x 200mm |
本体サイズ | 305 x 264 x 490mm |
造形方式 | LCD(光造形法) |
LCDパネル | 4Kモノクロパネル |
プリント速度 | 10-50mm/h |
積層ピッチ | 0.025-0.2mm |
レジン | スタンダード、水洗い、ABSライク |
保証 | 1年 |
ファブスペースの3Dプリンターに関するよくある質問
最後に、ファブスペースに設置する3Dプリンターに関するよくある質問をご紹介します。
Q.3Dプリンターの運用コストはかかりますか?
3Dプリンターの運用コストとして電気代やフィラメント購入費用、保守費用がかかります。
必ずフィラメントは純正品を購入してください。値段の安さで純正品以外のものを購入すると、機器が壊れてしまう恐れがあります。このような理由による故障はメーカーのサポートが受けられません。保守費用が高くなる恐れがあるため、必ずフィラメントは純正品を購入してください。
Q.3Dプリンターを体験することはできますか?
ファブスペースに3Dプリンターの導入を検討していて、機器を体験してみたい方は、FLASHFORGE製3Dプリンターの販売代理店APPLE TREEのショールームに訪れてみてください。ショールームでは、さまざまな機器が体験できます。
まとめ
2020年からSTEAM教育が必修化され、子どもの将来に役立つとしてファブスペースに注目が集まってきています。また、工作機械の精度が向上しり、大学や企業内でもファブスペースの設置が増えています。
この記事では、FLASHFORGE製3Dプリンターの導入事例を通じて、ファブスペースの作り方や運用方法のコツをご紹介しました。ぜひ、この記事を参考に、ぜひファブスペースを設立してみてください。
また、ファブスペースに設置する3Dプリンターは、運用に適したものを選ぶことが大切です。どの機器を導入すべきか悩んだ場合、FLASHFORGE製3Dプリンターの販売代理店APPLE TREEのショールームを訪れてみてください。